orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

「従業員シェア」は技術に対する技術者の考え方を問う

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技術者と呼ばれて育つと技術を上げることが至上主義のようになることがあります。資格は技術を見える化するためには都合がいいので、今度は資格をどれくらい取得したかを技術力の物差しにしようとします。

いたって普通の風景ですが、実際、ビジネスの現場で起こっていることを考えると、技術とビジネスの成績が相関しているかというと、ある程度はその通り。しかし限度を超えると全く関係ないのではと思うことがたびたびあります。

まず、技術ゼロの状態では、それでは仕事になりませんよね。基礎が必要です。そこから、競争相手に勝てるような特殊な技術を身に着け、そしてビジネスの成果が競争相手より差別化でき、かつ価格上でも優位性があれば、より仕事は素晴らしいものになります。

このロジックは初めのうちはとても正しいのです。

しかし、高度な知識を身に着けたあたりで単純化できなくなってくると思われます。いくら技術があっても、実装する結果のビジネスが消費者に対して何の訴求力も無ければ、いくら技術力があったって資格を取ったって何の訳にも立ちません。

技術者として、技術をどんどん高めていった。資格も取った。それならば会社はその技術にもっと対価として給与を支払うべきだ。そう思うでしょう。しかしその技術を使って実際にお金を稼がなければ、技術の対価になるべきお金が用意できません。

技術者として道に迷ったとき、迷いを打ち払うために勉強に没頭する方法があります。どんどん技術を身に着け、客観的に先端技術者として能力があるとします。しかし、そこまで身に着けたうえでそれを会社に対して還元せず、ただただ技術のみあっても、単なる自己満足となってしまいます。

技術を高めても自己満足。これが私がIT業界に所属して、技術者に対して言ってはいけないNGワードの一つだと思ってはいますが、個人ブログなので暴露しておきます。やはり収入を高めていくモチベーションこそが主役なのであれば、ビジネスから離れては決していけないと思っています。技術はビジネスのためにあるのです。もちろん、学校や教育機関などでは技術そのものが商材となりますが、それはまた技術以外にも必要な要素がたくさんあります。その技術を欲しがっている生徒がたくさんいて、かつ競争相手となる教師も必要程度少ない必要があり、そこにはビジネスの要素が絡んできます。

とかく、将来の不安を煽り、技術を高めないと未来が無いという風潮があります。これは基礎の部分は確かにその通りです。しかし会社に入って、ずっとその技術を拠り所に生きていると、技術に裏切られることがあるのではないでしょうか。

ニュースを見ていると、「従業員シェア」なる言葉を耳にしました。

 

www.nikkei.com

「従業員シェア」は異業種から一時的に人材を受け入れる仕組みです。航空やホテル業界は需要減で業績が厳しいですが、小売り業界は巣ごもり消費で需要が増えています。雇用維持に苦しむ業種と、人手不足に悩む業種の間で、人材を融通します。

 

もうこの世の中何でもありの様相です。

会社のビジネスが揺らぐと見るや、これまで培った技術とは関係のない会社に出向しなければいけないような状況です。

これは、技術だけでは食べていけない、すがってはいけない、ビジネスに寄与しない技術は食べさせてくれないという非情な現実を示していると考えます。

会社が、個人が、自分の技術だけをセールスポイントにし始めたら危険だ、ということを認識しておきたいです。