orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

クラウドで技術力があるとはどういう意味か

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今のIT業界で働くと言えば、クラウドをどうにかこうにかする、みたいな仕事が増えていると思います。昔はインフラエンジニアと言われていた領域だと思われます。

そこで未経験者の人が予習しようと、クラウドを勉強しようと思うもののどうやっていいかわからない、みたいな様子をちらほら見ます。

一般的には、AWSやAzureのシェアが大きいので、そのあたりの資格の勉強を始めようとする。その結果、資格主義みたいな状況も生まれているようです。

でも、実際に現場にいると、有資格者だからって市場で評価を受けるかどういうとそうでもないと思うんですよ。

ユーザーは何を求めているかというと、

・クラウドで本番運用して以下が担保できること
 -動作が安定すること
  セキュリティーが守られること
  バックアップが自動で取られ、いざというとき戻せること
  監視を組み込み、異常がすぐにわかること

まさにこれにつきるな、と思います。

 

ところが、クラウドにはたくさんの機能があって、それぞれの機能をディクショナリー的におぼえようとする努力をする人がいる。

それって、実は現場で全部使うことはありません。

むしろ、使わない選択をすることが大事になります。

簡単な気持ちである機能を使ったら、数年後に「サービス終了になります」とクラウド運営者側から言われ大慌てになることがあります。

システムは5年単位で使い続けられることが多いので、あんまり有名じゃないサービスに手を出したときに、クラウド運営者側が引っ込めるのが怖い。ソシャゲのサービス終了に似たものがあります。課金したのに全部無駄になる。

ユーザーは、リリースに当たって予算を確保しているので、クラウド側の余計な変化に巻き込まれたくない。だから、クラウドにまつわる政治的な機能の流行や廃れに敏感な人に設計してもらいたい、というのが本音です。

今はクラウド事業者も1つではなく、サービスも無数にあります。そしてAIが流行したらAI関連のサービスが増殖するし、IoTや5G、量子コンピューターや衛星通信まで手を伸ばしています、が、5年後どうなっているかはよくわかりません。

まんべんなく勉強するやり方より、まずはインフラ(IaaS)寄りのサービスを把握すること。インフラが無くなることはまずありませんし、PaaSやSaaSなどの各種サービスも結局はインフラで動いています。

インフラも仮想サーバー中心だったのが、今後コンテナがKubernetesを中心に伸びてきます。

また、インフラ寄りになればなるほど、OS(linuxやWindows)、ネットワークの知識も必要になってきます。

これらのインフラの知識をすっ飛ばして、SaaSやPaaS寄りのサービスを使うというやり方も一つの方法ですが、それらを使う場合でも、どういうふうにインフラで動いているかを理解し、ユーザーに説明する知識が必要不可欠です。

 

クラウドを使って仕事をしていると、たくさんクラウドのサービスはあるけれど、現場で使うのってほんの一部だよなあというのが感想です。

特に、サービスインして時間が経っていないサービスは使いたくないです。リリースから3年くらい経っていて、各所で実績を重ねたなら選択肢にやっと入ってくる。

そういうサービスは実はそんなになくて、ひっそりと終わったり新しいサービスに統合されることだって日常茶飯事です。

ですから、クラウドの勉強をたくさんして業界に入ろう!、なんていうより、OSやネットワークの基本的なインフラの知識を身に付けたら、とっとと現場に入って本番システムの構築や運用を体験して、何がクラウドで必要な技術なのかを体感頂いたほうがよっぽどわかる、と言いたいです。

これだけ、クラウドサービスのメニューが複雑化してくると、メニューを網羅するだけでも大変なのですが、現場で全部おぼえている人なんていない。むしろコアな部分がどれだけ信用できるかを、本番の動いているサービスで体感したほうがいい、と思います。