orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

デジタル庁に期待すること

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デジタル庁ができる。デジタル庁は何をする組織なのかを考えてみたい。

 

www.itmedia.co.jp

9月14日に自民党総裁選が行われ、菅義偉官房長官が新総裁に選出された。菅新総裁は同日記者会見し、省庁再編の一環で「デジタル庁」を創設する意向を示した。各省庁に分散しているデータを統合し、柔軟に利活用できる仕組みを築く考えだ。今後は「法改正に向け、早速準備を行っていきたい」という。

 

よく論旨を考えると、新しいサクラダ・ファミリアのような超大型システムをスクラッチで作ろうとはしていない。

各省庁のデータを統合する、とある。

つまり各省庁レベルではすでにデジタル化されているけれども、その間の連携が旧態依然のアナログになっているということ。全てを受け付ける地方の役所は、あれシステムやこれシステムと個別でつながなければならず、無駄が多すぎるということを示しているのだと思う。

しかし、日本はデジタル化が遅れている、という刺激的な言葉をメディアに載せることによりあたかも各省庁レベルでデジタル化に何も投資していないような印象すら受けた。

いや、無駄な投資も含めてこれまでたくさんのお金をデジタル化には突っ込んできたと思われる。あまりにも無駄なので、政府が共通インフラ基盤をクラウド上に作って各省庁に使わせようと言う試みはまだ始まったばかりだ。

おそらく、デジタル庁がはじめにやらなければいけないのは、各省庁に点在するシステムにAPIを実装させる仕事になると思う。もちろんAPIが実装されているシステムもすでにあると思うが全てではない。APIによってシステムを疎結合のままつなぐという案はもうこの10年ずっと聞き続けてきたのだけど、自分のところは関係ない、という当事者ばっかりで全然進まなかったのではないか。

一本、記事を紹介しておく。

 

active.nikkeibp.co.jp

今後のビジネスを左右するITとしては、AI(人工知能)、あらゆるものがネットにつながるIoT、ビッグデータなどが挙げられるが、その一つに位置付けられているのがAPI(Application Programming Interface)だ。企業が保有するシステムの機能をAPIで公開したり、公開されているAPIを活用することにより、これまでとは次元の違う広がりやスピードでビジネスを展開できる。

 

このAPIが、AIやIoTと並んで市場化するということにピンとこない人も多いと思うし、結構昔からある話ではある。しかしここにきて、デジタル庁が現実化しその周辺の話を聴いていると、APIで実装するのが最適解のように思う。

APIで実装すれば、各省庁の独立性を残したまま、データを取り出したり入力したりできる強みがある。

これまで民間レベルではAPIを公開し、たくさんのサービス間で連携することが拡大してきたのを見ると、「日本はデジタル化が遅れている」というのは公共の分野であり、民間は相当先に進んでいるようにも思える。

なぜ進まなかったか、というのが日本独特の縦割り組織の弊害としか言いようがない。

一方で、ドコモ口座の問題のように、API連携が全てバラ色であるかというとそうではない。つなげた先のセキュリティーが脆弱だと、自身のシステムが堅牢でも被害を受けてしまう可能性はある。便利にすることを絶対視するあまり、セキュリティーレベルを下げてしまうことがないようにすることがデジタル庁のミッションとして挙げられると思う。

最後に、デジタル庁トップには、デジタル技術に経験のある民間人登用を期待したい。明らかに民間の方が行政より数年先に進んでいるのは周知の事実。経験を持った人材が日本にもたくさんいるので、現在のIT政策担当大臣のような悲劇を再度生まないようにしていただきたい。