orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。



運用エンジニアは不要? 現場からお届けします。

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運用エンジニアは不要?

結構長い間運用エンジニアをやっていますが、「将来的に運用エンジニアは不要になる」と言われ続けているような気がしています。

 

tech.nikkeibp.co.jp

今回は「ITインフラの運用は自動化が進む」という定説と、運用エンジニアのキャリアを再考する。

 

考察

特に戦慄が走ったのは2012年あたりにAWSを頂点とするパブリッククラウドの勢いが増したときです。全部パブリッククラウドに移ってしまうと、Webで全て完了するのでインフラエンジニアは今後減っていくのではないか、と言われました。私もこの論について深く考える立場にいました。

私は、どうせクラウドにオンプレミスが飲み込まれてしまうのなら、はじめのうちから飲み込まれに行ってクラウドの中で仕事を生み出そう、と考えました。時代の移り変わりとともに、パブリッククラウドは誰にでも理解できる簡単な代物ではなく、結局はオンプレの専門知識を持った人が設計・構築しないと品質が保てないことがわかってきました。今ではクラウドエンジニア、のようなクラウドを中心に活動するインフラエンジニアの需要がかなり高まっています。SIerもオンプレミスの構築だけではなく合わせてパブリッククラウドも使える技術者も揃え、ハイブリッド(パブリックもオンプレミスも)でシステム構築できることが当たり前の時代になっています。

さて、この記事における運用エンジニアとはインフラエンジニアのことを示すと思うのですが、インフラエンジニアって、IT業界では長い間、日かげの存在でした。端的に言えば人気がない・・・のです。

オンプレでは特に、数十キロある物理サーバーを組み立たり。データセンターへ運んだり。サーバーラックにマウントしたりケーブリングをしたり。筋肉仕事の側面があるためにキラキラした仕事には見られなかったのです。Webサービスを作って流行に乗ったIT社長みたいなイメージを太陽だとすると、インフラエンジニアはまさに夜。そもそもデータセンターには日光がない。窓がついてませんからね。サービスやビジョンを語るビジネスマンという様相もなく、何となくワイワイした開発現場のそばでそっと安定稼働を下支えする地味な存在でした。

いや、私自身は下支えも好きだし、何しろプログラミングより機械をさわるのが楽しかったので転職だったのですけれども、業界全体とすれば人気のない職種でした。ただ、システム障害など起こるとインフラエンジニアが中心となって切り分けし、開発エンジニアと協力して進めるので、バリューもあるし輝く瞬間もあります。重要な職業であることは間違いないと思います。

そうこうしているうちにパブリッククラウドが現れ、業界を変えていきました。今ではクラウドでのシステム構築は当たり前のものですし、ニーズも年々上昇しています。このクラウドをうまく利用できるスキルセットにインフラエンジニアがはまりました。特にIaaS分野では。

特にクラウドにおいては、昔のように肉体労働が皆無です。Webポータルから操作をすればたちまち思ったリソースが手に入ります。オンプレでは設計図を書いてもそこから機械を発注し・・、届いて作って、とやっている期間がまるまる省略されます。そうすると仕事っぷりがかなりスマートになりました。オンプレから足を洗う判断をしたことを満足しています。

オンプレの部署と、クラウドしかやっていない部署を比べると、仕事の仕方からライフスタイルまで全然違います。同じインフラエンジニアのスキルセットなのに、ここまで変わるのかと思います。ただあまりにも、オンプレ専門のインフラエンジニアにそれを誇るのは忍びないのであんまりアピールしていません。ただクラウドを選んだことで、かなりの余りある時間を創出でき、それによってさらに新しい知識を得たり未知の分野に挑戦できたりしているので、私は「クラウドで働くインフラエンジニア」という職種を相当気にいっているのです。

一方で、インフラエンジニアが人気が無かった歴史が背景にあるので、競争相手が少ない。クラウドでの仕事がかなりスマートなのに、人気がないため、その労力に対しての報酬がかなり高止まりしています。これはクラウドにすることでかなりのバリューが生まれることが裏に隠れています。価値があるから投資が集まり、それをコントロールできるインフラエンジニアが少ないから、報酬も高い。

相変わらず人気はないので、ブルーオーシャンな仕事をもとめるなら、クラウド関連にいらっしゃい・・と思っています。今人気のプログラミングもAIやデータサイエンス関連も、なんだかレッドオーシャンの香りがするなあと思っています。個人的な感想ですが。

 

不要にはならない、なぜなら

ということで、運用エンジニアは不要にはなりません。

なぜなら、IT業界の中で不人気ポジションだからです。

募集をかけても全然来ません(笑)。

人手不足なのに、不要になるはずがありません。

特に、クラウド関連で言えば、不人気なのはかなり誤解があると思っています。本当はもっと人気があっていいはず。

なぜクラウド専任のインフラエンジニアが育たないかと考えると、オンプレミスをマスターしているクラウドスペシャリスト、という人が多分業界にはあんまりいないんです。いきなりクラウドでスタートした人もかなり増えていると思います。いきなりクラウド(ステーキじゃない)だと、多分にあった方がいいスキルが抜けていて、クラウド独特のトラブルに巻き込まれることが多いのではないかと危惧します。

クラウドといっても、データセンターがあって物理サーバーがあって、そこになんらかのOSやソフトウェアが動いています。APIでコントロールできるようになっていて、そこにWEBユーザーインターフェースが動いている。こんな絵を想像できるのはオンプレを長年やってきたからですが、この辺りは30代~40代のインフラエンジニアは相当強いんじゃないかなあと思います。

もっとクラウドやればいいのにと思うんですが、オンプレから抜け出せない日本の企業は星の数ほど存在しますので、ここに30代~40代がたくさん囚われているんだろう・・と。

その上、不人気・・という話に戻るので、まあ不要論など意に介せず、日々楽しく運用エンジニアは暮らしていることをお伝えしておきたいと思います。

ちなみに、元記事でGoogle先生がSREなんて新しい言葉を使っておりますが、少なくとも私の周りではアプリケーションレイヤーまでの監視や運用にもうズブズブです。だって、アプリケーションが動かなければインフラがいくら健康でも意味がありませんからね。私はインフラまでしか見ません、なんてつれないことを言うインフラエンジニアは減っているんじゃないかなあ・・。

現場においては、運用エンジニア不要論というより、不在論のほうが優勢です。