なかなか面白い示唆。
100の仕事をするために10の力を持った人が2の作業と8のコミュニケーションを使って50人で作業をしていたところが、
技術革新によって40の仕事でこなせるようになれば10の力を持った人が8の作業と2のコミュニケーションを使って5人で作業が終わる。
50人で作業をするより5人で作業をする方がコミュニケーションは楽になるから当然作業に充てられる時間が増えるわけだ。
すると技術革新によって仕事量は60%減なのに作業員の数は90%減になる。
確実に私は、大企業が大人数で対処してきたような仕事を、少人数で対処しコストパフォーマンスを上げて対応し、奪っていることをやっています。
これもクラウドのおかげですが・・。
過去は企業が利用するようなシステムを構築する場合、数千万から数億規模のハードウェアを購入し構築し、その後運用管理することまで実施する必要がありました。物理的な機械を管理する場合はどうしても人手が必要で、運用体制も大人数にならざるを得ませんでした。
今やクラウドの世界であれば、Webからほとんどの作業は済んでしまうので、同じことを少人数でこなすことが可能となりました。一人ができる作業量が急増しました。細分化されたシステムエンジニアの仕事は、一人のシステムエンジニアでも対応できるようになり、これまで必要としてきた複雑なコミュニケーションは確かに不要となりました。
上記記事で言うようなことは、本当に起こっているのです。
さて、その後の話。大企業は沈んだか。
旧態依然の仕事をしている大企業のシステムの仕事は、もはや草刈り場になっています。現在大企業の運用サービスを利用しているけれども、高いし主体性ないし、人数がやけに多いが横のコミュニケーションが取れておらず、話題が変わると担当者まで変更。また一から説明しなおしに・・のような非効率。
クラウド化によって、一人ができる作業量は飛躍的に増加したのですから、少人数で全体を見る方式に移行しなければなりません。
一方で、大企業を見ていると変化を感じる部分もあります。
前段の例でいえば、大企業は50人で仕事をしていた作業が、5人で仕事ができるようになりました。では45人は不要になる。5人は大企業の正社員です。45人はこれまでアウトソーシングしていましたが全員を契約終了で取引を打ち切りました。みたいなことが起こっているように見えます。
つまり、大企業は、技術革新による人員削減を見越して、労働集約的な仕事はほとんど内製でやらないようにしてきた。労働集約的な部分が技術革新で無くなるや否や、アウトソーシング部分をぶった切って、内製で賄うようになった。
一方で、単に内製になっただけでは付加価値がないので、コンサル的な、業務改革部分の上流のノウハウを身に着けるようになったきた、というのが私の理解です。最近のDXというキーワードが象徴しています。
大企業は、たんまりと内部留保があるので、アウトソーシングの部分を大胆に整理しながら、正社員には付加価値のための投資をする。そうやって、したたかに成長しているような風景を見ています。
「8の作業と2のコミュニケーション」を実際に体現している仕事を今していて思うことは、この「2のコミュニケーション」の重要さです。
一人の責任が重くなることを示しますから、この少人数がかみ合わないとき、大きな大きなコミュニケーションロスが発生してしまいます。
少人数でコミュニケーションが簡単だからこそ、間違ってはいけない。大きなプレッシャーも日々感じます。
また、メンバー間の信頼関係はものすごく大事。だって、数人しかいないのに、敵対関係、信頼関係なし、であったら、仕事は絶対にうまくいかないでしょう?。
ですから、結局、コミュニケーション能力は大事です。
一方で、8の作業、ができない人はさっぱり役にたちません。
コミュニケーションばっかりやっていていいのかな・・、これは明確にダメです。
だから大企業は、アウトソーシングをばっさり切った後は、社員にたくさん投資をして、作業ができるように仕立て上げると私は思います。
そんなふうに大企業が動いているので、「コミュニケーションばかりの仕事に不安」というのは絶対的に正しい。一方で、もし大企業が技術革新に気づいていながら、なーんにもしなければもちろん、沈んでしまう。でもそんなに戦うすべがないわけでもなく、大企業なりに戦いを進めている。全部の大企業が先見の明があるわけではないので、場所によっては草刈り場になり沈むのかも。
コミュニケーション能力は結局大事です。8の作業2のコミュニケーションになっても、その2の部分の大事さが大きいから。だからといって、それだけだったらやっぱりダメだよね。作業ができる技術力も大事だよね。
そんなところです。