orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

人材不足のその先のこと

 

今日もまた聞いてしまった。「人材不足が激しくて仕事が受けられない」と。

もう、いくつものチャネルからそんな話を聞いている。どうなってしまうのか、この業界は。

特に、中小企業に関して高齢化が進み、受け手がいないという状況が生まれていると思う。40代~50代がプレーヤーになってしまい、その下が育っていない。20代を中心にIT業界人気が高まり人数は増やしているが、いきなり上の世代の仕事を受け取れるわけがない。一人ないしは数人が結構な責任を承ってしまっているが、時間は限られている。

本当にこのまま何も手を打たなければ、おそらくだが、中小企業は合併するなどして集まっていかないと人手が追い付かないのではと思うことがある。人手なら派遣やSESなど外注を使えば・・という意見はあろうが、足りないのはコアメンバーだ。会社の中核的な部分を担うスタッフが外注では何のための仕事かわからなくなる。

コアメンバーが中小企業に点在しているのが問題なのかもしれない。もっと寄せ集まって、仕事をもっと束にすれば、もっと役割分担できるんじゃないか。

中小企業ではコアメンバーになりやすく、それで確かにやりがいもあるのだが、問題はやりがいを得てしまってから。ひとり情シス、なんて言葉もあるとおり、結構少人数である程度のボリュームをまわせてしまうのだ。

しかし、少人数なだけに欠けた瞬間に、大混乱となる。組織論としてはやはりチームを編成して仕事を共有し、急な退職があっても残ったメンバーが支え、そして人を定期的に補充するようにしなければならない。

もともと、IT業界が管理しなければいけないシステムの数自体はうなぎのぼりなんだろうと思う。何をやるにもデジタル化が前提で、それを担うシステムは日々日々増加を続けている。一人が担うシステムの数もその分増える。それに対して人はなかなか増えていかないし、少子化の影響がどんどん出てくる。

お金はあるけど、誰も仕事を請けてくれない。もう人がいなくて手一杯だ、と。

業界全体の生産性を上げていくためには、どうしても中小企業が点在している状態は非効率が多いと、当事者として思う。

仮に、どんどん二十代がこれから減っていく少子化が直撃するとしたら、二十代の未経験を育てる作戦も、限界が来そうで、そもそも大企業が人をかっさらっていきそうな気がしている。

中小企業がこれから戦っていくには、同業者が組まないといけないんじゃないか。

あともう一つ思うのが、ハードウェアにしろソフトウェアにしろ、5年10年でどんどんサイクルが変わるので、リプレースの仕事が減らない。このリプレース地獄がシステム数が増えることで仕事が無駄に生み出されている。システム要件は変わらないのに、ハードウェアやソフトウェアを刷新しないといけなくなる。

大して技術的に尖ったことをやるわけでもないのに、そんなリプレース要件ばっかりが身の回りに増えて来て、こんな工数も無ければもっと人材不足に対応できるのにな、と思う。

中小企業は、おそらく大合併時代が来るのかもね。2000年あたりに地方自治体の統廃合があったけど、あんな感じで。背に腹を変えられなくなったら、そうせざるを得ないだろう。