orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

なぜ提訴になる? 紹介予定派遣、雇用拒否の件

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もう、わからない、違和感だらけなのでそれだけ書いておきます。

 

www.yomiuri.co.jp

 

この話、紹介予定派遣を利用して任天堂の人事部に半年間務め、その後正社員になれなかったので提訴する、ということになっています。

なんで提訴?。

これって、パワハラが問題なんですかね。それとも、正社員になれないことが問題なのか。

あまりにもわからんので、記事をはじめから追ってみます。

 

正社員採用につながる「紹介予定派遣」だったのに、産業医と協力関係を築けなかったことを理由に直接雇用を拒否されたのは不当として、「任天堂」(京都市)の派遣社員だった保健師の女性2人(20、30歳代)が同社側に社員としての地位確認などを求め、近く京都地裁に提訴する。原告弁護団によると、紹介予定派遣の雇用拒否を巡る訴訟は全国初。

 

うーん、紹介予定派遣は正社員になることを確約する制度では決してないですよね。

正社員登用するかしないかは勤めて半年後に、企業と個人の間で合意されるかどうか、であって、企業側にも自由があるはず。

「産業医と協力関係を築けなかったこと」というのは、立派な企業側の判断理由のように読めます。この文だけ読めば。

 

訴状によると、2人は2回の面接後、半年間の派遣が決まり、2018年4月から人事部で勤務。社員の健康指導などを担当したが、同9月、人事担当との面談で「産業医と協力体制を構築できなかった」として直接雇用を拒否され、派遣契約を打ち切られた。

 

普通の派遣(3年前提)では事前面接は禁止されていますが、紹介予定派遣の場合は事前面接は可能です。ただ正社員に採用するかどうかは6か月の働きぶりを見て・・という話なので面接自体は簡易的なもの。本来の正社員採用面接のプロセスはどの会社も結構複雑ですからね。で、その半年の間に働きぶりを判断され、採用しない、となっても全然自然に見えるのですが・・。

 

原告側は、業務連絡のささいな行き違いをきっかけに2人が産業医から無視されるようになったほか、カルテ整理以外の仕事を与えられなかったり、ミーティングに参加させてもらえなかったりするパワーハラスメントを受けたと主張。「産業医との関係は雇用拒否の理由にあたらない」としている。

 

この部分は記事だけでは何とも判断できないと思います。

ハラスメント問題は、受け手の心理が重要ですので、上司側は加害者意識がないケースもあります。ただし、客観的にパワハラ行為かどうかは両者の言い分を含め事実関係の把握が欠かせません。訴状ベースでは、被害者側の言い分しかありませんから。

 

さらに「派遣会社抜きで任天堂だけが面接しており、派遣制度を逸脱した実質的な採用行為」として、直接雇用するよう訴えている。

 

ここが、よくわからないところです。

紹介予定派遣の面接って、派遣会社の社員が立ち会わないといけないことは強制されるものなのですかね?。派遣期間6か月の間に勤務中、派遣先のスタッフと面談することなんて何度もありそうなものですが。

また、派遣制度を逸脱した実質的な採用行為、という表現って紹介予定派遣制度そのものではないでしょうかね。実質的な採用行為を行うため派遣制度を逸脱するから、紹介予定派遣制度ができたのでは?。

 

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派遣で有名なスタッフサービス社の説明文を見ても、そうとしか思えず(※スタッフサービスは今回の記事とは全く関係ありません)。

 

www.staffservice.co.jp

紹介予定派遣では、

・派遣会社という「第三者」が雇用契約をきちんと確認すること

・実際に働いてみて、企業と労働者がお互いにミスマッチがないと確認してから直接雇用契約を結べること

がメリットになり、上記のようなトラブルを回避できる可能性が高くなります。

直接雇用を前提としているため、通常、面接や事前面談が禁じられている「派遣」という雇用形態にもかかわらず、紹介予定派遣では面接を実施するのです。

 

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やっぱりそうですよね・・。さて、読売新聞記事の本文に戻ります。

 

任天堂はこれまでの話し合いで、パワハラを否定する一方、解決金50万円の支払いを提案したが、2人は応じなかった。同社は「現時点でコメントすることはない」としている。

 

パワハラは否定。

解決金50万?。

なんだろうか。なぜ任天堂側はパワハラは否定するのに、50万円を支払おうとしたのだろうか。この金額の意味は何だろうか。

 

紹介予定派遣について、「正社員採用前提」と説明する求人情報サイトも少なくないが、厚生労働省によると、2018年度に同制度で派遣された約3万7000人のうち、実際に雇用されたのは約1万9000人。原告弁護団長の岩城穣ゆたか弁護士は「正社員の試用期間のようなものなのに、派遣先が責任を負わない企業優位の制度になっている」と指摘している。

 

 正社員の試用期間でも不採用となるケースはありますから、紹介予定派遣制度が企業優位とは全く思えないのですが・・。

それとも、雇用者側が雇われたいと思えば、企業の意思に関わらず正社員になれるのが、「非企業優位」ということですかね?

 

うーん、さっぱりわからん。

 

パワハラじゃない。任天堂側が正社員としてふさわしくないと思った。結果として、任天堂は紹介予定派遣制度の意図に基づき、正社員採用は見送った。

あれ・・どこに提訴に行く理由が・・?

 

多分この記事に、いろいろ重要な情報がないんでしょうかね。

想像力を豊かにして深読みすると・・こうでしょうか。

・原告はパワハラだと思っている。
・パワハラを受けたことにおいては被害者なのに、そこでの出来事をもとに、正社員雇用不適格とされるのはおかしい。

どうですか?

そうすると、この提訴は、

・パワハラがあったかどうかの客観的認定
・(パワハラ=yesの場合)紹介予定派遣における雇用不適格の判断を、企業がしてはいけないのか?という問題

この2つが問題になる、のでしょうか。

また、パワハラではないとすれば、提訴自体が成り立たなくなるのでしょうか。

だって、紹介予定派遣において、採用しない、という選択は普通極まりないからです。採用しないと企業が判断するたびに派遣社員側が提訴していたら、そもそも企業は紹介予定派遣なんて使いませんよね。

 

本件、最終的にどうなるか、ウォッチしていきたいと思います。