通勤手当は不公平か
はてな界隈で、なぜか去年の記事が盛り上がっているようですが。
ここから先は蛇足だが、僕らがどんな制度にしようとしているのかを参考までに書いておく。
今現在の制度は、通勤手当と交通経費を支払う、極めてノーマルな制度。
今後は以下のような制度に変更しようと考えている。
・全員一律の交通経費を決定し、支給する。
・経費総額を削減する意図は全くないので、一律の金額は全社員の平均にする
・(遠方への出張を除き)交通経費は一切申請しない
・遠方かどうかの判定基準は、関東の場合「武蔵野線/南武線ラインの外側の客先は経費申請可能」とした
(例えば丸の内の古河電工さんに行くなら申請できない、日野の日野自動車さんは外側なので申請可)
・煩雑なので書かないが、通勤手当と経費では税金の考え方が違う。課税分と非課税分を法律に従って仕分ける
この件、視点を変えて一言言いたく。
派遣社員、アルバイトはそもそも通勤手当がない
議論をぶち壊すかもしれませんが・・。
ご存知かと思いますが、ほとんどの派遣社員には交通費は支給されておりません。これは、法律で「派遣社員に交通費を支給しなくてもよい」と書いてあるわけではないです。つまり、2.で書きますが、そもそも法律上、会社は正社員にすら交通費を支給しなくてよいのです。ただ、派遣社員には交通費を支給せず、正社員や契約社員にのみ交通費を支給していることが多いというだけです。派遣社員にだけ交通費が支給されないという現象は、世の中の会社がこのように運営しているから生じています。
通勤手当が出るの出ないの、どう出すのと言っているのは、正社員のみです。
私の家族も某地球規模外食チェーンのアルバイトをやっていますが、最低賃金なのに通勤手当が出ないです。
そもそも、それがどうかとも思うのですが、一日二時間の勤務から可能と言っていて、それで交通費を支給すると割に合わないという理屈もわかります。
でも、週5日勤務で一日8時間勤務、つまり正社員と同じような体系で働いている派遣社員やアルバイトまで同じ扱いなのはどうかと思いますね・・。
通勤手当って、正社員の場合は、「遠隔地にいる人でも優秀な方であればいらっしゃい、交通費は全額支給しますよ」というメッセージだと思うんですよね。
逆に通勤手当のない非正規社員の場合は、「近くに住めばいいじゃない」という塩対応。
こんな形でも、正規と非正規で差が開いていっているよなあと思った次第です。
この記事のように、通勤手当を全員一律にする場合は、経営者が「近くに住んだ方が得だし、それでもあえて遠くに住む人は別の会社に移った方がいいよ」というメッセージを出しているとしか私には思えません。数学的な話ですね。
人間そんなに簡単に引っ越しできない
そういえば、下記の記事も話題になったんでした。
経済的視点や効率的視点だけで、人の居住地を決められるほど簡単な話ではないということですね。
私も上京してから6回引っ越しをしましたが、引っ越しできたのは二十代だけです。
だんだん、引っ越せない理由ができてきて、今はもう無理です・・。
派遣・アルバイトへの交通費不支給も、今回の全社員平均化も私は反対ですねえ。むしろ、電車もストリーミングみたいに、サブスクリプションで乗り放題にならないもんですかねえ・・。