orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

モチベーションの低い組織はどうしたら蘇るか

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モチベーションを上げるということ

私はこの記事、評価しますよ。

 

note.com

今回は、ひとりのマネジャーに焦点を当てて私たちの組織改善の取り組みをご紹介したいと思います。(組織全体の取り組みについてはこちらの記事をご覧ください)

グッドパッチのクライアントワーク部門でマネジャーをしているヒロさんは当初35.3だったエンゲージメントスコアを半年後に61.8、さらに半年後に75.5と劇的に改善したマネジャーです。

  

モチベーションクラウドはCMが良く流れているのでご存知の方は多いと思いますが、結構ちゃんとした数字を出してくれるんです、このサービス。で、私は偏差値25の組織も知っているし80の組織も知っているので、ここに書かれていることはすごくわかるし、偏差値35.3を75.5に半年で変えることは奇跡のようなことだということを知っています。

 

考察

もう、全然景色が違うのですよ偏差値35.3と75.5では。

私は、35.3を75.5に変えるためには、在籍している人を物理的に変えるしかないというドライな思想の持ち主ですが、施策によって変わるんだなということにいたく感心をしてしまいました。

この偏差値、モチベーションクラウドに参加している全国の法人の回答をもとに作られているので、かなり客観的に表現されます。

で、高い数字に対しては、実はあまり客観的に分析する必要もなく、今までどおりの組織運営を続ければいいのだと思います。高いのですから。

気を付けるべきは、低いことが継続すること。そして数字が下がることです。何か組織にとって悪いことが起きている証拠です。誰かが見えないメッセージを発しているということにほかなりません。

一方で、モチベーションが低い人が嫌がるようなことばかり、この記事ではしているように見えます。

・マネージャーとメンバーの会話の頻度を増やす
・マネージャーと近い人とはチームワークを増やす
・あいさつを増やす
・喫茶店やランチで1on1を増やす
・週に一度の自組織ミーティングで、全員参加型にする
・メンバー自身に発言の機会を増やし、お互いの理解度を深める

私には無理です。ここまで滅私奉公的な感覚でマネージャーが動かないと、絶対に35.3が75.5にはならないと思います。これをやると絶対に、反発するメンバーが出てかつそのメンバーが組織をかき乱します。最悪はマネージャーの上司まで巻き込んで戦争を起こします。だから、もう私はこの手の戦いはやりたくないので、そもそもモチベーションの低い組織のマネージャーは引き受けないことを人生の指針としています。

ただ、人によってはそんなことを言っていられないでしょう。特に転職してマネージャーになるケースは、こういった負の組織を立て直してほしいというニーズもあるはずです。日本では一斉解雇のようなことはできませんから、ね。

「まとめ」が心に染みます。

 

まとめ

ここまでお読みいただいてそのように感じた方もおられるかもしれませんが、組織改善のための取り組みはとにかく地味です。一発で全てが良くなる施策など存在しないので地道に努力を続ける以外にないのです。

マネジャーは時に孤独を感じたり、弱みを見せられないこともあると思います。しかし少し冷静になって見回してみれば、助け合える仲間はたくさんいると思います。

組織は人ですから、しくみや論理だけでは問題を解決できません。職位や上下関係を振りかざしてマネジメントできる時代はもう終わっています。苦しい状況でも逃げることなくメンバーに向き合い、原因を自らに求めたとき、マネジャーとしての成長の機会が訪れるのだと思います。

 

そう、地味なのにとにかく「きつい」、のが組織のモチベーション立て直しです。毎日続けるしかないし、即効性は無いし、しかもこれをリードするマネージャーって、上下関係を振り回したら一発アウトであり、かつ苦しくても逃げられないし。原因を自分に求めないといけなし、ということで、トップダウン型リーダーがこれをやると一発で組織が崩壊してしまうというのがこの偏差値30台以下の怖さだと理解しています。

魔法の杖を期待して記事を読んだ方は、元記事が地味な施策を続けて粘るしかないという内容にがっかりした人も多いと思いますが、これが現実だと思います。また成功するかどうかも非常にリスクが高いと思います。それぐらい、人のモチベーションを変えるのは高度なことであり、結果がでたということは素晴らしいことです。

 

対策

メンバー全員がモチベーションの低い、いわゆる「腐った組織」を立て直す対策というのは実は3つしかありません。

1)メンバーを全部取り換えること
2)今回の記事のように地道な施策でマインドを変えること
3)もう腐ったままでいいとあきらめること

意外とね・・3は多いんです。機会を見て1、つまり全取っ換えする。例えば今流行している希望退職/早期退職もその一種かと思います。ただそんな余裕もない会社は、3で我慢する。意外と人はモチベーションが低くても辞めませんからね。

だから、2を選びそれを成し遂げられるのは表彰ものです。素晴らしいです。