orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

あなたの思っている会社は、もう違う会社なのかもしれない。

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会社は大小あると思いますが、複数の人で構成されています。

例えば100人の会社があるとします。100人全てで一つの仕事に取り組むことはまずありませんよね。チームをたくさん作って、たいてい分かれて仕事をしています。チームの中にはリーダーがいます。リーダーたちをまとめるマネージャーがいます。マネージャーたちをまとめる経営幹部がいます。

そういうふうにだいたいの会社が階層構造になっていて、トップは末端のメンバーと会話することは稀、なはずです。よほど小さい会社でなければ。

ほとんどのメンバーはチームの中で勤務時間を過ごします。メンバーにとってみれば、チームこそ会社であり、会社100人を感じるタイミングは一年でもほとんどないはずです。

だから全社会議などと定期的に開き、とりあえず全体を体感してもらい、会社への所属意識を定期的に持ってもらう、なんて取り組みはどの会社でもたいていやってます。

1000人を超えるような大会社だと一か所に集めるのも難しいので、だいたいが事業部単位で集まったりして、会社全体を感じるのはメンバー単位は難しい、というところもあるでしょうね。

経営に近いマネージャークラスになると、会社のマネージャー全体で集まる会議が定期的にあって、メンバーとは違う会社の見方ができるようになります。この視点をリーダーやメンバーに伝えることも、一つのマネージャーの大事な仕事ですね。

さて、コロナ禍が長期化して参りました。

オフィスで仕事することはだんだん「特別」になってきました。テレワークで仕事をすることのほうが「日常」になりつつあります。

前半に書いた組織論も、これに伴い注意が必要になります。

会社の最小単位であるチームも、リモート主体になっています。

まとまりがあるはずのチームが、リモート主体である時間が長くなることで、それぞれの関係性も変化していきます。仕事自体は回るのですが、直接会うことはないし、飲みに行く、食事に行くなどの行動もなくなります。チームリーダーもチームに対して貢献しようとするも、勤務時間中ずっとWEB会議をつなぎっぱなしにはしないので、ある程度仕事をメンバーに指示したらあとは報告を待つ形になります。

このように会社のチームの在り方が、コロナ禍が中長期化するにつれ、昔と様変わりしています。

ところが、リーダーやマネージャー、経営者は、実はこの変化に気が付きにくいのです。なぜかというと、以前から、階層構造を構成した時点で権限を委任していたからです。何かあればエスカレーションするような仕事の仕方は、コロナ禍前でも後でも全く変わらないからです。

だから、経営者、マネージャー、リーダー、それぞれが「リモートでも仕事まわせそうだ」という自信を、現在深めていると思います。そういえば、オフィスにいようが自宅にいようが、何かあれば報告・相談・連絡するスタイルは、昔と同じじゃないか、と。

一番変わったのは、実は現場です。

その現場の変化を最も気が付くべきは、チームのリーダーなのですが、これが「バイアス」が発生し、「大丈夫だろう」と言う判断をしがちです。しかも、リモートで相手の顔色が見えづらいので、問題があることそのものを検知しにくいのです。

メンバー自体には何が起こるか。所属意識がどんどん薄まっていきます。会社全体を見通す機会が減り、そして同僚との付き合いも減っています。いったい、何に所属しているかがだんだん薄れて行きますが、時間が長くなっていき、明らかに顕在化しつつあると推測しています。

経営者やマネージャーは、「大丈夫だ、どんどんリモートにして、新しい働き方を」と施策を進めている間に、現場はどんどん温度が冷え込んでいく。

今、リモート施策でうまく進めている、と思っている会社は要注意です。それぞれのチームの状態が、心理的にどうなっているかを、観察しなければいけません。少なくとも昔とは激変する環境にメンバーは晒されていますから、新しい不満がむくむくと育っていないかをそろそろチェックすべきです。経営者が、マネージャーが思っていた「会社の全体像」が実はチーム内部で大変化を始めているかもしれません。気が付いてみたら違う会社に変質していた、と言うことが無いように。