ノートPCが欲しい時に感じる不条理
もう社会問題化すべきだと思うんですよね。
あの10万円以上は固定資産計上しなければいけない悪法なんとかならないのか。せめて20万以上にしてくれたら、一気にノートPCの売れ筋が変わり、企業の生産性も上がると思うのだけど。なんなのか、10万円って。
— orangeitems / ブロガー (@orangeitems_) February 16, 2020
会社で「ノートPCが欲しい」って言ったときに、管理職や経理部門から「はいダメ~、10万円未満じゃないとダメ~(トムブラウン的な)」って反応が返りませんか?
これ、税制上の理由が大きく絡んでいます。
備品は固定資産という分類で計上されるが、購入した固定資産が10万円未満の場合少額減価償却資産として、10万円を超えた場合減価償却資産として計上しなければならない。少額減価償却資産の場合は一度に計上できるが減価償却資産の場合は、分割で払わなければならない。そのために10万円という決まりがあることが多くなっている。
ざっくり言えば、10万円未満だと会社のその年の利益から引くことができますが、10万円を超えた瞬間に資産となってしまい減価償却しなければならず、手続きも含めて面倒になってしまうためです。
これ、本当になんとかしてほしいです。
ノートPCのスペックが、10万円を境に全然ちがうからです。
10万円未満という不毛な壁
おかげで、PCメーカーは10万円未満のノートPCをわざわざ意識して、メニューをそろえるようになりました。
この法人向け特集に掲載されているPCが10万円未満なのは、消耗品費で一括損金処理できるためだ。一般的には、価格が10万円以上のPCを購入すると、PC一式の法定耐用年数は4年となっているため、通常4年かけて減価償却処理をする必要がある。これに対して10万円未満のPCは、消耗品の一括損金または経費として処理できるため、会計処理が単年で済むというメリットがある。
別に、マウスコンピューターが悪いのではなく、税制が悪い。
わざわざ会計処理のために、本来必要なPCのスペックを削ってまで10万円未満にさせられる技術者が急増していると思います。
10万円未満での制限に多いことを列挙します。
・重い。1Kg未満のモバイルノートはたいてい10万越えする。2Kg前後のものが主流。
・液晶の品質が悪い。解像度が低かったり、光の映り込みや横からの角度に弱い。ベゼルが太いものばかりで、重くなる原因にもなっている。
・CPUやメモリーが貧弱。特にメモリー4GBが未だにまだある。
・Windows 10 Proが選べないことが多い。
・SSDではなくハードディスクが使われていて、動作が遅い。
上記の問題も、13万円くらい出せば全てクリアします。
数万円の差なのに、スペック不十分なノートPCを技術者や営業担当者に与えられ、それで一日中仕事をしなければいけない人の気持ちを考えたことがあるのでしょうか。
その理由が「税制」なんだから、わけわかりません。
10万円の壁を20万いや、15万にするだけで、オフィスの生産性は大きく変わりますよ。どこかの政治家が見てくれませんかねこの記事。
1998年の改悪
歴史をひも解いてみたら、びっくり。
平成10年度法人税改正により、取得価額が20万円未満の減価償却資産の取り扱いが変わりました。(平成10年4月以降に開始する事業年度より)
いままでは、取得価額が20万円未満の場合は、全額損金算入(消耗品費などで経費処理)が認められていましたが、今後は10万円未満でないと、全額損金算入はできない事となりました。
平成10年は、1998年です。1998年の政治家たち、見てますか?
22年前の価値観でできた縛りが、今もって生産性を妨げているのです。
20万円未満の全額損金算入を認めなさいって話です。
これで、間違いなくノートPCが買いやすくなる。
技術革新を妨げているのが、税制ってんだから、ほんと何してんのって感じです。
被害に遭っている人は声を挙げてほしいものです。