ノートPCと運用エンジニアの深い関係
システム運用に携わるITエンジニアならピンと来ると思うのですが、ノートPCの持ち歩きは睡眠や三度の食事くらい身近なトピックです。今や日本のどこにいてもブロードバンドで接続できる、いや、ブロードバンドと言う言葉自体も死語となり、来年には5Gが登場するぞというこの世の中でインターネット通信はどこにいてもできるようになりました。しかし通信だけあっても仕事はできず、ノートPCが無ければいけません。したがって、我々運用エンジニアにとってノートPCを持ち歩くというのは一般の人々が思っているよりも重い十字架なのです。
一番それを感じたのは登山のときです。リュックサックに登山用アイテムを入れて登ると思うのですが私のリュックサックにはノートPCが入っているのです。重い。重いだけならいいのですが山を登って7合目くらいで携帯電話に緊急アラートが入り、木陰でノートPCを開いてlsやらcatやらsystemctlやらteratermに向かって打つ私。対応しましたというメールを書く私。登山中の人々の珍しいものを見るような視線。まあ、これが生き様というものです。
今は、スマホでVPN接続しリモートデスクトップができるものの、本格的にコマンドを叩くと指が釣ります。一時期タブレットにも期待したのですが、結局別売りキーボードを装着するとノートPCと大して変わらない従量やサイズでなんだかなです。
まだまだノートPCを切り捨てることはできません。
また、そういえば思い出したのですが、東日本大震災のときにちょうど東京都内、東京タワーの近くにいて、そこから8時間くらい歩いて帰ったのですがその時も私のカバンにはノートPCが入っていました。肩が凝りました。カバンを持つ指が疲れました。
その経験以降は、靴もビジネスシューズから、ビジネスシューズ風ウォーキングシューズに変えました。ABCマートのプライベートブランドであるホーキンスの靴です。これ、運動靴なみに柔らかい靴でデータセンターで長い時間立ち仕事したりするのにも向いています。
[ホーキンス] 通気性ビジネスシューズ HP CL R S-TIP ストレートチップ HB70090
しかも、あんな大地震を経験すると痛感するのですが、見た目重視の靴は機動力を割きます。いろいろ考えてノートPCは軽く。靴もやわらかく。都内を仕事でうろうろすることも多いので、そんな価値観になっています。
1kgを切るノートPC
ということでノートPCが軽いことは私にとって本当に価値のあることであり、古くはSONYのVAIO 505まで遡ります。VAIOというブランドは今やSONYも切り離してしまい独立し、まだ販売はされていますが登場時ほどの存在感はないと思います。でも、登場した当時は革命が起こったくらいのインパクトがあり私も少ない貯金で買って所有したものです。
結果として、バッテリー持ちが悪く3時間くらいしか動きません。またスペックも十分ではなかったのでオモチャにしかならなかった思い出。最後はLinuxを入れて遊んでいました。Wifiがつながるのに3日くらいかけたけれども、つながったら興味を無くしてそのまま押し入れ行きとなりました。
2016年くらいになると1kg切るノートPCがちょこちょこ出てきて、もちろん手に入れて使ったものの、今度は軽くするために素材が貧弱で、膝の上でキータッチするとしなり過ぎて入力しにくいという問題に突き当たります。そこで結局は素材感、剛性感を重視しMacBookに流れて今に至るというのが私のノートPC遍歴です。
MacBookはサイズ感はとても良いし、とても頑丈に作られていてとても理想的なのですが、一番気に入らないのは1kgを切れていないことです。やや、思い。1.1kgぐらいなのですがこのちょっとの差だけ解決してくれるとありがたいなと思っていました。
一方Windowsと言えば、ふにゃふにゃの1kg未満パソコンしかない時代が続いたので敬遠していたのですが、どうもその流れが変わった模様です。
大手PCメーカーであるデルが、日本で個人向けノートPCのラインアップを一新。新規設計モデルからCPUの世代交代(インテルの第10世代Core搭載へ)モデルなど、総計13機種を発売しました。
アメリカ人は体や手が大きくて、1kg未満のモバイルPCなんて興味が無くて日本人くらいしか作りたがらない。なんて十数年前は揶揄されてましたがそんなことないはずです。彼らも軽い方がうれしいはず。デルですら1kg切りを出してきたということで、うれしいなあと思う次第です。特にアメリカ人は剛性感を気にします。丈夫でないものを嫌います。
パソコンではシェアトップのHPもこの分野に参入してきています。
株式会社日本HPは、法人向け13.3型コンバーチブル2in1 PC「HP Elite Dragonfly」を11月末より出荷、1月よりカスタマイズ可能モデルを投入する。税別直販価格は189,800円から。
重量1kgを切る重量(最軽量モデル)で、最大約24.5時間(4セルモデル)の長時間駆動を謳う。筐体はCNC加工マグネシウム製で、本体色には光沢感のある「ドラゴンフライブルー」を採用する。またプラスチック部品に、ノートPCとしては世界初となる海洋プラスチックを利用している。
もともとモバイル分野では存在感のあった国内勢については、PC Watchに特集記事があります。
昨今のモバイルノートPCのトレンドと言えば、間違いなく軽量化だろう。とくに13.3型クラスは外でも中でも使いやすいサイズであることから人気が高く、メーカー各社も軽量化を主眼に置いた開発に注力していることがうかがえる。
運用エンジニアはどこへ行く
一方で、iPadが3万円台で手に入るようになってきたことから、もしリモートデスクトップ用途ならタブレットもアリかな・・と目移りするようになっています。
Apple iPad (10.2インチ, Wi-Fi, 32GB) - シルバー
重さが483gですから・・。もしスクリーンキーボードで仕事ができるならこれでも十分にありかなと。もともとiPhone XR持ち歩いているのでテザリングすればいいだけです。
選択肢がいろいろ増えて、昔よりは生きやすくなったなと。
ひどいときは、会社用スマホ、自分用スマホ、ノートPCに、モバイルルーター、充電器がカバンに入ってて、外に遊びに行くのがイヤになった時期もありましたから・・。