orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

高卒人材が金の卵?だまされるな子供たちよ

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高卒人材が金の卵?

子供たちやその親は騙されないでほしい。

 

business.nikkei.com

学生側の売り手市場が続く採用戦線。大卒者を思うように採れない企業が今、熱い視線を注いでいるのが高卒者だ。若さゆえの「素直さ」と潜在的な成長力に注目する企業が増えている。

 

こんな記事に騙されて大学に行かない選択をするならば、それこそ一生もののミスジャッジとなってしまう。

 

日本は学歴社会だ

私が子供のころ、「学歴社会となっている日本はおかしい」という議論があった気がする。そのころ、自分で学歴を名乗るのはタブーっぽい雰囲気となりつつ、ゆとり教育が始まっていった記憶がある。

どこかインターネットにその痕跡がないものかと調べてみたら、かなりその類の文章は多いのだが、下記などズバリである。

1988年の文部省(現在の文科省)の文章だ。

 

www.mext.go.jp

もともと学歴は,近代学校制度の発足以来,いわゆる封建社会の身分的拘束によらず,上級学校への進学の機会を保障して,広く人材登用を可能にし,社会を活性化させる機能を有するものであった。しかし,我が国における若年時新卒一括採用などの雇用慣行の下では,職業生活への入口いかんが大きな意味を持つことや社会全体の学歴志向の風潮もあり,青少年期の過度の受験競争や受験準備教育が激化する等,様々な教育問題や社会問題を引き起こしている。しがも,このような学歴主義は,学校時代の成績に評価を集中させる学校教育への過度の依存や学校教育の自己完結性を助長する原因となるとともに,生涯学習の立場から見る時,人々の生涯にわたる流動的で発展的な成長をはばみ,かつ人生の再度の挑戦の機会を奪う。そして,「何をどれだけ学んだか」よりも「いつどこで学んだか」が評価として重視され,生涯にわたる学習を続けようとする人々の生きがいの芽をつむこととなる。

なお,学歴社会を助長するのは,企業,官公庁等における雇用慣行や人事管理の問題及び社会全体の風潮等種々の要因があり,社会全体の問題として対応することが必要である。教育改革を進めるとともに,産業社会や就業構造の急速な変化を考慮しつつ,生涯にわたる人格の形成を重視する生涯学習社会の立場から,学歴偏重社会の是正について国民的自覚が期待される。

 

そう、学歴などというものは一生のうちのたかだか四年間くらいの時期のことを言うのであり、それをブランドとして一生食べていくような学歴偏重社会を警告している。

ところが、今のテレビ番組を見ていただきたい。東大京大一橋、早稲田慶応に始まる高学歴芸人、もしくは現役の生徒が、箔をつけるように冠をしている。明らかに社会に対して、高学歴であることを誇り、そうでない人とは違うんだということを明らかに誇示している。

結局、日本は一周廻って、学歴偏重社会に突入するとともに、それを許容する社会があると思われる。

 

一般企業における待遇の違い

社歴の長い企業にありがちなのが、大卒と高卒で基本給に差があるパターンだ。給与テーブルを作る段階で、高卒と大卒で区別する。もちろん大卒と院卒も区別する。入社しないとわからない情報。確実に給与面で大卒以上は優遇されている。もちろんそうではない会社も存在するが、そうではない会社を見つけて入社することほど無駄な作業はないと思う。大卒の人にはわからない苦労を高卒の人は間違いなくしている。後から大卒であればよかった、と思っていても、高校時に大学に行こうというビジョンがないと相当に取り返すのは苦労する。

なぜ、こう思うか。そもそも大学についてもランク付けが厳然としてあり、入社の時だけではなく昇進時も含めて見えない変数になっているからだ。大学間においても明らかに区別があるのに、大卒と高卒では競争すら成り立っていない感がある。

優秀な人が高学歴が多い、というより高学歴に要職が廻ってきているという感覚は否定できない。私の経験だけを持ってしても、要職と高学歴に相関関係は、ある。

起業した人の中には学歴社会を跳ね返したパワフルな人はいるけれども、だからこそ起業したとも言える。経営するという観点においては全く学歴など必要はない。しかし、人材登用となると高学歴採用に走り、高学歴を信用し登用する。そんな事例をたくさん見てきた。

騙されないでほしい。高卒人材が金の卵だと言っているのは、経営者だ。給与水準が安い上に若いので、長く活躍できる「ワーカー(働く人)」だと思われている。しかし、高い待遇を求めるのは困難だと思う。競争になっていない。新卒1000万、なんて高学歴新卒を呼び入れる一方で、高卒にワーカーをやらせる。だから金の卵、なんて言っている。決して、高卒自在が金になるわけではない。

テレビ番組の高学歴を誇るようなクイズ番組にしろ、高卒をありがたがるような記事にしろ、社会の闇の部分が簡単に表に出るようになってしまったことを憂う。

社会の基本的なルールは何十年も前から変わっていないし、変わる気配はないし、むしろ変わらない傾向を強めているとさえ、思う。