循環取引が話題に
はじめは東芝内部の問題と言う論調が強かった、東芝ITサービスの循環取引問題ですが、ここにきて様相が変わってきました。
システム開発のネットワンシステムズは21日、30日に予定していた2019年4~12月期決算の発表を2月13日に延期すると発表した。また同業の日鉄ソリューションズも21日、未定としていた19年4~12月期決算の発表を2月6日にすると明らかにした。
東芝ITサービスにしろ、ネットワンシステムズにしろ、日鉄ソリューションズにしろ「納品の事実が確認できない取引の疑義」であり循環取引が疑われるのですが、3社が絡んでいるかどうかは謎です。独立して3件起こったのかそれとも循環取引を形成していたアクターなのか。
とりあえずは報道を待つしかありませんが、結構なビッグネームが相次いで釣れてしまったこの循環取引。どんなことなのでしょうか。
学ぶための資料をご紹介します。
循環取引を学ぶ
企業の不適切会計や不祥事がニュースなどでよく取り上げられています。ひとたび発生すると金銭的なダメージがあるだけではなく、社会的信用も失墜し、企業の存続が危ぶまれる事態になり得る不適切会計。お金の出入りを管理する経理担当者は、不正や誤謬をいち早く発見し、未曽有の危機から企業を守る防波堤、最後の砦です。
そこで、不当・違法な利益を得るために意図的に行われる「不正会計」の3大パターンとその防止策について、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書)などの著書で有名な公認会計士の山田真哉先生に詳しくお話を伺いました。
意外と知られていない会計の知識。元ITエンジニアの吉田延史氏が、会計用語や事象をシンプルに解説します。お仕事の合間や、ティータイムなど。すき間時間を利用して会計を気軽に学んでいただければと思います。
近年、企業のコンプライアンス(法令遵守)への期待と要求がますます高まっている一方で、毎年のように企業の不正や不祥事が大きく取り上げられています。この不正や不祥事の発覚は上場企業にも見られる重篤な問題です。そこで、今回は企業の不正取引である架空取引の事例と予防措置、実態解明について解説していきます。
システム開発会社のアイ・エックス・アイ(IXI、2007年1月倒産)を舞台とした架空循環取引の捜査が大詰めを迎えている。大阪市内のIXI本社など関係先は昨年2月末、大阪地検特捜部と証券取引等監視委員会による大掛かりな家宅捜索を受けた。有価証券報告書の虚偽記載などで旧経営陣の責任がどこまで追及されるのか、重大局面が刻一刻と近づいている。
最近、増加傾向にある不正の手口の一つとして、循環取引があります。
これまで解説してきた不正との違うのは、1社だけで完結するのではなく、取引先など複数の協力会社を巻き込んで不正が行われること。共謀して不正をしているため発覚がしにくく、また、部門の責任者や管理者といった立場の人々が関与していることが多いため、企業にとって大きな影響を及ぼしてしまうことが特徴です。
自社で十分に気をつけていても、知らない間に参加者になっているケースもありますので、巻き込まれないようにするためにも、知識を身につけておくことが必要です。
発覚したとき際には、売上の多くが循環取引という事例もあります。
一度はじめると、他の会社に迷惑はかけられないという気持ちも目覚めますので、不正金額が多額になる傾向があります。
請負契約における循環取引について
①循環取引になるのかどうか?
②循環取引に該当している場合の社会的罰則の上記2点についてご教授頂ければ幸いです。
インデックスはコンテンツ開発などの名目で、知人が運営する会社からソフトウェアなどを購入し、代金の大部分がインデックス側に還流されていたという。インデックスは数十社とこうした取引を繰り返し、裏金を捻出していたとみられている。売り上げ、利益を水増すための循環取引には関連80社が使われており、協力した会社には裏金から顧問料などの名目で手数料が支払われていたという。
「売上急増の理由は循環取引だ」。
総額1,000億円とも言われる循環取引が表面化した。東京商工リサーチの取材で、循環取引に巻き込まれた商社の関係者は「ATT(株)(TSR企業コード:032028687、墨田区)のA社長から中国との大きな取引になるので間に入ってほしいと頼まれた」と、循環取引に巻き込まれた経緯を明かした。
この商社は取引を始めると瞬く間に、取引額が膨らむ異常さに気付き、取引から手を引いた。だが、循環取引に最後まで関わった取引先の「被害額」は大きく膨らんだ。
循環取引の恐ろしいところは、まったく知らず知らずの内に取引に加わっている場合があることです。
また、関係者に一部上場企業も含まれているなど、安心して、普通に取引をしていることもあるくらいです。
循環取引に巻き込まれないようにすることも今後は非常に重要となります。
そのためには、循環取引の特徴を理解し、異常性に着目した分析を充実させるなどの手法で不正の端緒を見つけ出し、最悪の事態に発展しない対応が必要となります。ある担当者は、取引額が膨らんでいることからいずれ循環取引が破綻することを予想していたにもかかわらず、循環取引に参加している他の会社に重大な損害を及ぼすことから、循環取引を止めることができなかった〈正当化〉とされています。
不正に共通することは、タバコと同じで、一度、手をつけたら、なかなか止められないのです。
ですから、第三者からの厳しい指摘がどうしても必要になってくるのです。
感想
一連の記事を読んでわかったこととして、「簡単に循環取引は悪だ」なんて断罪できる類の話ではないということです。
循環取引は、人間の弱いところがにじみ出た現象のように見えます。
循環取引の問題は上記記事にも織り交ぜましたが、古くからある不祥事です。
2020年の現在になってもなくならないのは、会社経営を人間が行っている証拠のような気がします。
これは、絶対に、なくならない。
何か会計監査にて循環取引を絶対に見つける方法が見いだされたら将来はわかりませんが、これは危ない薬のようなもので、はじめは快楽を得て、その後破滅に向かいます。
この件、倫理観の欠如など浅い分析をしないほうがいいと思われます。きっと、各案件で事情がかなり複雑で、いずれ破滅に向かうのになぜ人間が循環取引に向かってしまうのか、見つかるたびに、深い反省と対処が必要なのではないかと思います。