orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

急に取引が終わるというリスクが世の中を席巻している件

 

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米Twitterは1月19日(現地時間)、開発者利用規約「開発者契約」を更新し、サードパーティアプリの提供を公式に制限した。告知はなかった。本稿執筆現在、日本語版はまだ更新されていない。

 

例えばTwitterのコンテンツを使ってビジネスしていた場合、今回だとサードパーティー製アプリを売って生活していた会社なんかだと、突然Twitterにアクセスできなくなってくいぶちがなくなるってわけでしょ?。

事業をやる上で、サービスが成り立つために必要なサプライチェーン(供給網)ってほんと大事。サードパーティーはきっと、Twitter買収あたりで撤退戦を本当は始めないといけなかったんでしょうね。

そういえば、楽天モバイルの件も私は類似していると思います。

 

mainichi.jp

 楽天モバイル社員による46億円着服疑惑の影響で、下請け企業が経営危機に陥っている。楽天がその社員と関係の深かった取引先との契約を解除したため、そこに連なっていた下請けの資金繰りが連鎖的に悪化しているのだ。発注元の不正が、立場の弱い下請けにしわ寄せされた格好だ。

 

主語は「下請け」。ただ、下請けに、発注元と元請けの間で行われていた不正を知る由はあったのか。

ないとすれば。

これは、会社の事業リソースを、偏った取引先に集中させることがとても危険だということになります。

もし、「この仕事が飛んだら・・・」という想像をリスクとして捉えず、ありえない/無視できる確率だ、と受容してしまったということになります。

 

どんな事業でも、取引先は必ずいます。そして元請・下請・孫請のような関係もまた、日常茶飯事です。関係性の種類は問わず、一つ一つの関係性について、もしリスクが表面化したときに何が起きるかを、定期的にシミュレーションしないと会社というのはとても持ちません。

経営者は、~成長できるか~を常に株主から問われていて、プレッシャーにいつもさいなまれています。これを跳ねのけられるのは筆頭株主かつ創業者かつ社長、という場合しかないでしょう。そのため、成長を阻害するあらゆる可能性について敏感ですが、このような「突発的な事象」については、無意識に考えないようにすることが多いのです。

実は、経営者レベルでなくても、ほとんどの人がその罠にはまる可能性があります。例えば、宇宙から地球が侵略されるとは誰も思っていません。世界情勢は緊迫しているが日本が今日明日でどうにかなるとは思っていません。自分の会社は安泰だと思っています。

こういった事象を「正常性バイアス」と言います。都合の悪いことは考えないようにする人間の心の安定を守る仕組みです。

だって、宇宙人が攻めてくる・・と不安がっていたら、頭がおかしいって言われるのが普通でしょう?。

もしかしたら、冒頭の2件も、誰かがもっと早く違和感を感じていたかもしれません。でも社内で口にしようものなら、「そんなことがあるはずがない」「考えすぎ」「ものの見方がひねくれている」なんて複数の方向から矢が飛んできそうです。

私自身は性格的に、いろんなリスクを考えがちで、口にすると騒がれるので心の中で留めているほうです。でも、事業を組み立てるときは、どこかで逃げ道をちゃんと作らないとなと思って行動はしています。全部の理由を人に説明することはせず、こそこそと手をまわすことが多いですが、きっと、事業が長生きする秘訣はそこにあると思います。あらゆる穴を塞ぎ、そして暇なときに穴を探します。

どうやってビジネスを組み立ててもお得意様というのは必ずできます。そして、そのお得意様に依存し過ぎると、いざ事が起こった時に「どれぐらい早く事業縮小して、お金を流出させず継続性を保つか」がポイントになってきます。

企業が終わるほとんどの原因が、ビジネス起ち上げ時にはなかったリスクが、突然もしくは徐々に発現したということになろうと思います。心配して心配して、それぐらいで丁度いいものだと思います。