orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

働かないおじさん問題

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働かないおじさん問題

「働かないおじさん問題」を語るのは、またおじさんだったりするので話はややこしいと思います。

 

www.bengo4.com

企業にとって古くて新しい問題、それは「働かないおじさん」をどうするか、だ。
世間で人手不足や人材確保の難しさが叫ばれる中、味の素とLIXILグループ、ファミリーマートなど、大手企業が11月以降、相次いで早期退職を発表した。
こうした企業の多くは、収益悪化によってリストラを迫られているというより、早いうちに人件費の高い中高年社員という「重荷」を降ろしたいという思惑があるようだ。労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎研究所長に、「働かないおじさん」が生まれてしまう理由や、背景にある日本の雇用制度について聞いた。(ジャーナリスト・有馬知子)

 

IT業界と他業界の温度差

IT業界って、皮肉にも他の業界よりはジョブ型になっていると思うんですよね。

経済産業省がITスキル標準(ITSS)を策定し必要とされる能力を標準化してきたというのは有名なところです。

 

www.ipa.go.jp

 ITスキル標準(以下単に「スキル標準」という)は、各種IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標であり、産学におけるITサービス・プロフェッショナルの教育・訓練等に有用な「ものさし」(共通枠組)を提供しようとするものです。

 

ただしこの仕組みのあるないにかかわらず、会社を変わったとしてもそのまま使えるスキルがIT業界にはたくさんあります。そのためSEサポート(SES)なるサービス体系があって、他の会社の人が自社に居座って長い間ITの面倒をみてくれるという文化も醸成しています。

ただ、IT業界を外れてみると、日本企業は結構自社にユニークなビジネスプロセスを持ちがちです。ですから、

 

日本の「メンバーシップ型」雇用システムは、職務や勤務地などが限定されない雇用形態で、企業側が社員の勤務地や配属先の決定権を握っています。このため社員は自律的に、専門性を身につけることが難しいのです。中高年の社員が管理職コースを外れてしまうと、多くはスキルも持たない上に、今さら新たな部署でキャリアを再構築するのも難しく、行き場を失ってしまいます。中には、職場に貢献できずにモチベーションを失い、定年まで会社にしがみつこうとする人も出てきます。

 

なんて言われようです。

会社自身がジョブ型になれないのは、ビジネスプロセスが標準化できていないために、その現場でしか使えない知識に依存してしまっていると言い換えることもできます。

そもそも、なぜ標準化せずユニークであっていいかというと、終身雇用の前提があるからです。長く勤めたベテランが若手に教える。若手がベテランになったら、また新しい若手に教える。このループが前提だったはずです。

しかし、時代の変化は激しく、ベテランが身に着けたスキルは新人から定年になるまでのサイクルより速く陳腐化してしまう。そうしたら企業は「ベテラン」と呼ばれる人たちは邪魔です。年功序列前提の賃金ばかり高くて、新しいスキルの習得なら新人の方がまだ柔軟性がある。管理職から見て若手の方が素直で言うことをきいてくれる。

こんな状況じゃないかなと思います。

ですから、「働かないおじさん」とは言われていますが、働いても賃金よりパフォーマンスが出ない人、という言い方の方が正しいのではないかと思います。働かないのではなく、働けない。

 

ただ、高齢者の雇用義務化の流れが、ジョブ型への移行を促す可能性はあります。中高年の社員が社内に増えれば増えるほど、企業としては、戦力として働いてもらうための対策を講じずにはいられなくなるでしょう。その中で、若手のうちに専門的なスキルを身につけさせる動きが加速するかもしれません。

 

とは言いますが、そのスキルって、二十年後、使えますか?というところがポイントであると思います。使えなかったら同じ目に合うだけ、です。

 

若手はどうすべきか

「安易に転職するな」は正解だと思います。

ただ、若手がやったほうがいいこととしては、会社の外部イベントに積極的に参加し会社の外の話をよく聞くことではないでしょうか。

日本企業は特に、自社でしか通用しないような文化やメソッドを構築しがちです。しかし中にいると全然気が付きません。どの会社でも似たようなものだと思いがちです。

会社に染まれば染まるほど気が付かなくなります。

そうすると、自己評価が歪み、いざ転職しなければいけないような状況になったときに身動きが取れなくなってしまいます。

転職が甘くないことは当たり前です。ただそれを助長するような生活スタイルを送ってはまずいと思います。

会社の外を常に見ておく姿勢は重要です。

 

働かないおじさん関連記事

関連記事が複数ありますので紹介しておきます。

 

news.yahoo.co.jp

「衝撃的な数字だ……」
私はこのニュースを見て、思わずうなった。
味の素が50歳以上の管理職から希望退職者を募集すると発表した。その規模、100人程度。
「100人」という数字を見て多いと思うか、少ないと受け止めるか、人それぞれかもしれない。私はというと、衝撃的な数字と受け止めた。
なぜなら「管理職100人」だからである。

 

forbesjapan.com

「働かないおじさん」「お荷物」「福祉型雇用」など、モチベーションが落ちて成果が出せなくなったシニアを揶揄するワードを使った本が売れ、その対策研修が流行る時代になった。

超高齢化社会において、どの会社も中高年社員が増えていく傾向が止まらないのは事実であるが、彼らは本当に働かないのか? 本当にお荷物なのか?

若手・中堅社員の人材育成手法が出尽くした今、新たなマーケティングの開拓先としてシニア社員にターゲットを当てられているように感じる。

 

www.asahi.com

若い頃は安い給料で働かされ、中高年になれば「働かない。高い給料をもらっているのに」と批判される――。これには日本型雇用の構造的な問題が隠れていそうです。「働かないおじさん」はなぜ存在するのか。人材開発が専門の立教大学教授の中原淳さんに聞きました。

 

president.jp

「働かないおじさん」は、なぜ会社に居続けるのか、しかもなぜ自分より給料が高いのか。イライラしたことはないでしょうか。どこにでもある「働かないおじさん問題」に、人材開発の専門家がスバリお答えします。

 

business.nikkei.com

連載3回目のゲストとして登場するのは立教大学経営学部助教の田中聡氏。パーソルグループでビジネスパーソンとして経験を積んだ後、働く人と組織の成長・学習を研究するようになった田中氏にとって、「才能を殺す組織」と「才能を生かす組織」とは。対談の中編では、日本の企業の経営者が新規事業を立ち上げるのが不得手な理由について解説した(詳細は「上から目線で評価するのではなく、トップが自分で新規事業を立ち上げよ」)。後編では、なぜ日本企業で「働かないおじさん」が量産されているのかを、田中氏と北野氏が語り合った。

 

www.moneypost.jp

しばしば大企業の早期退職募集が話題になる昨今。確かに日本の大企業は、いわゆる氷河期世代前のバブル期に多くの社員を採用しており、この世代が現在アラフィフ。そんな企業の中には“真面目に頑張るおじさん”ばかりでなく、“働かないおじさん”がまだまだ存在するという。大手企業の若手社員たちに、「職場にいる働かないおじさん」について聞いてみた。

 

www.zakzak.co.jp

昭和用語である「窓際族」という言葉を、今の若い連中は知らないという。しかしそれに取って代わり、悪い意味で進化した存在として「働かないおじさん」という言葉が流行り出している。

 

news.yahoo.co.jp

昨今「働かないおじさん」という表現が、ちまたに溢れかえっています。50~60代の男性管理職で、30代~40代の社員よりも高給取りなのに、会社への貢献度が低い。貢献度が低いだけならともかく、貢献度ゼロの人であったり、部下の足を引っ張って、実質貢献度マイナスの人。こういった方々を総称して「働かないおじさん」と呼ぶのだと思います。

 

diamond.jp

今、職場で働かないオジサンへの不満が高まっている。日本企業の採用や育成に関する仕組み、労働市場を硬直化させる政府の政策が、働かないオジサンを量産している。まさに日本特有の構造問題なのだ。

 

diamond.jp

今、職場で働かないオジサンが増殖し、周囲の不満が高まっている。ここでは、タイプ別に分けて紹介し、周囲の社員がどう穏やかに接すれば意識改革を迫れるのか、提示する。

 

toyokeizai.net

元400mハードル選手の為末大氏と中原淳・東大准教授とが「転機」について語る『仕事人生のリセットボタン――転機のレッスン』(ちくま新書)。いったい、どのようにすれば「働かないおじさん」を大量に生み出す日本企業の悲劇を止めることはできるのだろうか。

 

※語っているのは、やっぱりおじさんがおおいなあ・・。

 

まとめ

こんなに「働かないおじさん」問題が論じられていることをはじめて知りました。

ただ、この問題を論じているのも、おじさんだったりします。

また、わたしもおじさんです。

論じるぐらいなら働こうぜと思うんですが、きっと、「働かないおじさん」なんて表現する人から見れば、相応するスキルがないって思われているのでしょう。

私はたまたまIT業界で、そもそも会社に終身雇用されるわけないって、二十数年前の新卒のときから思っていたし、SESであれこれ違う会社を除いた経験もあって、現状を冷ややかに見ています。「SKILL or DIE」の世界にずっといます。

要は、会社を横断しても勝ち抜いていけるスキルを身に付ければいいだけの話だと思っています。それを、会社に期待しない。

残業ばかりで勉強するヒマもないという言い訳も通用しない。働き方改革。

副業禁止で幅を広げられないという言い訳も通用しない。副業解禁。

と言う風に、外堀が埋まっていっているのですから、あとは行動するだけと思いますがいかがでしょうか。