orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

何の仕事につくべきか?という根源的な問い

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声優の仕事

「声優になりたい!」と叫ぶ子ども。さてどうするか。

 

thepowerofvoices.hatenablog.com

突然、うちの子が声優になりたい!と言いだしました。なれるんでしょうか?いくらぐらいお金が必要でしょうか?食えるんでしょうか?

 

著者の木村さんは超売れっ子のナレーターさんで、1963年生まれですから私からするとお年上の先輩です。

大成功された方ですので、何度も何度も質問されお答えしているんでしょうね。

 

何の仕事につくべきか?という根源的な問い

私が初めて仕事のことを考えさせられたのは、中学校にときに学校から配られたアンケートです。なんて書いたかしっかりと覚えていますよ。

 

Q1. あなたは将来どんな仕事につきたいですか?

こたえ( ばくぜんとしている。              )

Q2. どれぐらいのお金があったらいいですか?

こたえ( 生活に困らないくらい範囲のお金があればよい。  )

 

うーん、当時本当に、自分が仕事をするということについて全くイメージが無かったです。ただすごくお金持ちになろうという気概もなくて、ただお金には困りたくなかった。

結局なりゆきで大学卒業間際に、お金がショートしかかって大学院にも進めない状況で正社員募集の仕事を探したら、たまたまIT業界に引っ掛かったというさっぱり戦略のない仕事の付き方です。

まあでも小学二年生の時なぜかファミコンじゃなくてパソコンを買ってきた親には感謝してますね。周りの同級生と差別化できたのは実はパソコン(しかも昔の)に慣れ親しんできたからです。当時のIT業界の人は、情報系の人ほとんどいなかったですからね。生産性も低かったので大量に人間(しかも新卒の安い労働力)が必要でしたから。

IT業界自体は「アタリ」の業界だったと思います。労働条件その他でよく問題にはなっているものの、アニメ業界ほどひどい話は最近は聞かなくなったし、市場が大きいので何らかの仕事にはありつける可能性が高いと思います。政府もAIやデータサイエンス、セキュリティー人材は作りたいみたいだし、たまたま就職のときにたどり着いた業界が良かっただけ。

しかし、今新卒だとして、IT業界が安定した職業だとは決して思いません。人気となったことで競争が激しくなり、業界内での格差も拡大傾向です。また、生産性のない現場もまだたくさんあり、ブラック労働に巻き込まれる可能性もあります。

むしろ優秀な人が選ぶようになったせいで、なることそのものが難しくなったような気がします。自動化することそのものが他の業種を駆逐するような情勢の中、ITを学ぶことで有利になろう。この考え方はたくさんの方が思っていて、それだからこそIT業界は正直人気職種の一つだと思います。IT業界も、情報系の人より学歴の高い人を取る傾向にあります。入社してから情報系の勉強をしても十分間に合いますし、それより学歴の高い人の方が活躍してくれる。どこの人事部もそんなこと一言も言いませんが、実態はそうです。ですから、繰り返し言いますが今、IT業界を選ぶのであれば20年前よりはかなり狭き門になっています。

だから、今のIT業界の私の年代のような中堅どころが今の新人と付き合おうとすると、かなり彼らのスペックが優秀なんですね。というより彼らがそれを見透かして、仕事を覚えたら先輩たちを追い越すつもりまんまん。我々は古いんじゃなくて、彼らが優秀なのです。

 

nikkan-spa.jp

 

きっと、優秀な新人たちは我々の常識を破壊的に塗り替えてくれるでしょう。むしろ私はこれに乗りたいです。

ということで、何の仕事につくか・・というのは、一社しか買えない株式投資のようなもので、戦略性が必要になると思います。すでに値が高い株に投資しても値下がりする可能性は高い。あまりにもビジネスの長期性が見られない会社は、長期的には破綻の可能性もある。ニッチだと、収入が伸びない。「好きな会社の株を買う」というのも危険ですよね。好きとビジネスは違うんだ。

 

で、あまりにもビジネス寄りに考えて職種を選ぶと、今度は自分が向いているのかどうかという違う尺度のことを考えなければいけません。どんな仕事を選ぶかに無頓着で何しろ活躍できればいいや、というならいいんですが。どうしても声優になりたい!、どうしても歌手になりたい!、アイドルになりたい!、それもまた人生の一つの面だと思います。こういう本能の欲求を無視したら心がおかしくなってしまいます。

この心の欲求をどのように処理しながら、職種を合わせて考えていく。もしくはもう仕事で処理するのは止めて、一旦仕事しながら副業や趣味にする。いやいや、まずは本業となるようにしよう。いろんなやり方はあります。どの方法を取るにしろ、やりたいことはやるべきだと私は思います。ただ、それをすぐにお金にする(マネタイズ)ことは可能不可能の問題がはらんできます。これが、木村さんのおっしゃっていることだと思います。

 

親・家族という重要な変数

何の仕事につくか、ということはこのように人生論だと思います。市場の将来性と適性と、やりたいという本能。これに本業と副業と趣味という軸を持って戦略的に望むことが必要です。無論、戦っていくためには親が協力してくれるかとか、家庭が裕福かということも変数になります。

 

togetter.com

『親が金持ち』これは子供にとって最強の後ろ盾かもしれません。

 

親や家庭っていうのは、経済的な支援だけではなく、精神的にも支えてくれるので、このあり/なしで変わってくる業種というのは明らかに存在します。

単に学歴だけ入手するなら、できるだけ学費をかけないで独学で結果を出すことは可能です。しかし、アート系や芸能系はお金がかかりますね。

・個別指導
・教材に金がかかる
・練習する環境が必要(防音室など)

しかも、それで「食べていく」のであれば、大前提として「才能」が必要。そして市場関係者に認められる「人格」が必要。

そこで勝つのを目指すのであれば、親が才能を見抜き集中投資することが求められると思います。成功した芸能人、スポーツ選手、その秘訣を聴くと必ず親の支援がセットで付いてきます。親は社会に出てから長いですので、どうやって生き抜くか、については明らかに子どもより情報を持っています。この情報を持って、子どものやりたいという本能と、その才能をシビアに評価して、「できる!」と思ったら全力で応援できるか。これが競争に有利に働くと思いますね。もちろん、当てが外れてもいいように、リスクヘッジまで考えてやることも親の役目かなあと思います。

まあ、「高学歴で、いい会社に!」というのも王道なので、子どもから「声優になりたい!」と言われたときに全力で反対する親の気持ちもわからんことはないです。

 

・・・ということで、子どもがあまりにも声優に向いていると思ったら、全力で応援します。が、向いてねえなと思ったら全力で向いてないことを説明します。

どんな世界も、成功したほうが一番ですからね・・。成功できることを最優先に、相談に乗るかなあと思います。