orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

IT業界のこれは秘密だけど

 

IT業界と一言で言っても色々な場所がある。ネットでよく言われているIT業界の性質については、ほとんどウソではないけど、全ての現場に通じるもんじゃない。色々な噂を並べてコメントして見よう。

 

業務をコントロールできる

業務の全体量に対して、効率良くやれば早く終わるし、効率が悪ければ残業の連続となる。上手くコントロールできれば、発注元には忙しそうに見せておいて実は楽している、みたいなことはできる。

ただ、そのコントロールを握れるかどうかは立ち位置しだい。コントロールするべき人が実力がないと炎上しがちである。ただ、関係者は黙って炎上に巻き込まれるのではなく、その雰囲気を察知してコントロールを奪い取ることがある。任せておいてください、ちゃんとスケジュールを作ってお渡しし、その通りやりますよ、なんて具合に役割を巻き取ることはよくある。結局はできればいいのだから、実力が最もある人がイニシアティブを取るのが一番いいのである。

このように、この業界は業務をコントロールできるのは事実だが、ハンドルを握れるのは一部の人だ。一部の人に慣れなければ、誰か握るハンドルで運転する車に揺られ、車酔いする人も多数いるのだと思う。

 

コミュ障が多い

今は全くそんなことないです。コミュニケーションができないと仕事にならないので、いろんなデジタルツールがコミュニケーションを円滑にしてくれています。それすらも使えない人は現場から追い出されます。仕事にならないので。

ただ、私が業界に入った二十五年前くらいは、事実だったと思います。有識者にコミュ障は多く。そこに有象無象の未経験者が集められ業界が正常化していった様を見ました。私は、何となくコミュニケーション能力で生き残った気がします。わけのわからないことを言う人の意図を聞いて、翻訳するのが得意でした。今はその延長上でユーザーと技術者の両方の翻訳をする立場になってるぐらいです。

ですから、今はコミュニケーションができることは強みにはならないです。当たり前であり、だからこそ一般常識を身に付けるのは前提と言えます。コンピューターをずっと触ってれば仕事になる時代ではありますが、コンピューターの中でコミュニケーションをしなければならなくなりました。

 

実力があれば上に行ける

これも誤解されやすい言葉です。

実力自体があっても上に行けない人は沢山います。実力を認めるのは誰でしょうか。顧客です。顧客がこの人すごい、できる、手放したくないって言ってたら会社の人は認めざるを得ません。

上司に認められること、なんてよく言いますが、いくら上司が立ててくれても顧客からの評判が悪ければ出世は無理ですね。

誰を向いて仕事するか。まず顧客。顧客が誰だかわかりにくい場合は、お金の流れを見ましょう。お金を支払っている人が喜んでいて、それに自分が寄与していれば、自ずと出世します。

人ありきなので、実力、って何なんだって方が大事です。はっきり言えば、いくら資格試験を取りまくったところで、その知識を活かして顧客へ価値を提供できなければ、意味がありません。

 

生産性が高い仕事ができる

リモートワークやらデジタルでのコラボレーションやら、効率化のツールがたくさんあるのが特色のIT業界。

これも業種次第なところはあります。

特に開発の現場、ITに詳しくないユーザーと要件定義を行うような場所だと、そもそも生産性が低いです。なぜなら、生産性を上げるためにシステムを導入するので、生産性が低い状況と向かい合わないといけないです。

それをシステム化すると生産性が高くなるよ、というドキュメントをまとめるのが要件定義なわけで、これは骨の折れる作業であり、さらっとできることではありません。生産性は低いです。

この分野すら自動化できると、AIが期待されていますが、まだまだ未知数。今の時点では要件定義こそ人がやらねばならず、ここは中々めんどうですね。

要件定義が終わっても設計、コーディングと続きます。IT業界の大半を占める開発業務は中々効率化しづらい世界だと思っています。開発の現場は今でもいつも忙しそうです。

部署によっては、ノウハウが貯まり生産性高く働ける場所もあり、ピンキリです。同じ会社にいても濃淡あります。

 

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ネットでIT業界の噂を聴く度に、毎回複雑な気持ちになりますね。一義的な表現は極端です。全部間違っているとも言いづらいし、全部正しいとも思わない。だから、みんなわかりあっているようでわかりあってもいない、錯覚で語っている部分も多いです。

私の場所はこうです・・という事実を積み上げて判断するしかないと思います。そこまで歴史の深い業界でもないですし。安易に判断しないことをお勧めします。