orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

リスクマネーや娯楽費にかけられるお金に関して底に近づいているのではないかという仮説

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社会に変化が起こっていませんか

このところいっぺんにいろんなことが同時に起きているという話です。

・国内ソシャゲ企業の決算が至る所で勢いを無くす。減益、赤字の連続。一説には海外ゲームがシェアを奪っているという話もあるが、海外ですらゲーム会社の決算が軒並み調子が悪い。

・任天堂もスイッチの販売を下方修正。ソニーもゲーム部門が減益。箱モノも勢いを無くす。

・パチンコ店の倒産件数は高止まり。

・1,000億円以上の負債を抱えて破産した「ケフィア事業振興会」の件。

・スマホが売れない。特にiPhone。

・仮想通貨の急激な減速

それぞれ全く関係ないようですが私は関連性を感じるのです。日本全体の過剰資金について底が近づいているのではないでしょうか。「無くても困らないお金」「リスクをかけてでも増やしたいお金」「遊びに使うお金」、いわゆるリスクマネーや娯楽費が減少しているのではないかという仮説を持っています。

 

ここ最近尋常ではなかった

ソシャゲ一つとってもです。一社一タイトルで1000億円、利益率も様々ですが40%ある会社もあるとか。私自身全く理解のできないまま、巨額お金が動いているのをニュースで見聞きしていました。

 

gamebiz.jp

Mobile Indexは、2018年スマホゲーム総決算レポートをリリースし、個別タイトルの売上ランキングを分析した結果、『モンスターストライク』が売上1位だったと発表した。2018年における『モンスターストライク』(モンスト)の売上高は1076億円を記録し、2位は『Fate/Grand Order』(売上1050億円) 、3位は『パズル&ドラゴン』(売上 594億円)になったとのこと。

 

一般消費者からソシャゲ会社への途方もないお金の移動。これがもし永遠ならば、良いゲームを作った会社が富んでいく健全な競争になると思います。さらに既存のゲームを拡張してもよいですし、優れた新規ゲームを作ることもできます。

しかしです。もし一般消費者のお金がついに底をついてきたと考えるとどうでしょう。

財布の中に2万円入っているとして、1万円なら使ってもいいけど1万5000円なら使い過ぎ。その始めの1万円の消費が既に訪れてしまっていたら。

ソシャゲ会社は異変を感じているはずです。十分な開発費を持って十分な品質のゲームを作り、十分に広告費を落とした。なのになぜこんなに課金が集まらないのか。今までの方程式が通じない。

それは、ゲームの品質うんぬんではないのです。一般消費者が支払うお金がついに、しきい値を超えてしまったとしたらどうでしょう。

ないものはないので、払いたくても払えない。したがってそれはソシャゲだけではなく、コンシューマーゲームにも、パチンコにも、仮想通貨にも、高リスク金融商品にも、スマホの買い替えにも。

食料品・生活必需品やインフラなどへの出費は減らせないとしても、リスクマネーや娯楽費にかけられるお金がついに一般消費者から失われてしまったのではないでしょうか。

 

日本人の手取りが下がったことで起こること

よく言われていることですし私自身も実感することですが、やたら税金や社会保険などの天引きが年々大きくなってきています。そのうえ日本人の平均収入も右肩下がり。本来お金を使うはずの30~40代も台所事情は年々苦しくなっているはずです。よくもまああんな大金があんなことに動くなあ、日本はまだまだ豊かだなあと思っていたのですが、ここ最近の変調を見るととうとう終わりに近づいてきたのかもしれません。

原則として、消費者にお金が無ければ、どんなに素晴らしい娯楽商品やサービスが出ても売れません。すごくあたりまえのことです。なのに、国民一人あたりの手取りはどんどん下がる。若い人の給料は上がらず。そのままスライドし子育て世代になってさらに困窮する。それでも日本人は貯蓄率が高かったこともあり、過去の資産を使って消費してきたけれども底が見えてきてしまい、ついに動かせないところに近づいてきたのではないのでしょうか。それに加え、消費税10%も今年秋に迫っています。

まあ冷静に考えると、私は、

・1年や2年で10万するスマホを買い換えるのも変だった
・ソシャゲで課金するお金など私は元から無かった
・仮想通貨買うお金無し
・パチンコに行くお金無し(そもそも負ける)
・「ケフィア事業振興会」に預けるお金無し
・スイッチは持ってた

ということで、私自身はすでに全く困っておらず、単に社会が正常の方角に戻っているのだけかもしれないのですが、すでに随分お金が動いている分野であることもあり、関連する業界に関わっている方は動揺されているのかもしれません。

5Gが来ると新しいビジネスチャンスが・・と息巻いている方もいらっしゃると思うのですが、「ないものは払えない」のです。良いものやサービスを作っても売れないのです。国民一人一人が自由に使える金額を増やし、将来に安心を持てないと支出も増えません。

今の状況は、日本が縮小均衡に向かっていることを示す一連のデータのように見えてなりません。もっと、国民一人あたりの所得を増やさなければ。