orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

ニコニコ動画の衰退を秋葉原を歩きながら考えた

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ニコニコ動画

秋葉原の街を歩きながら。

ニコニコ動画の有料会員数が下げ止まらないことを考えていました。

 

www.itmedia.co.jp

カドカワが11月8日発表した2018年4~9月期決算によると、傘下のドワンゴが運営する「ニコニコ動画」(ニコ動)の有料会員「ニコニコプレミアム会員」は9月末で194万人と、6月末から6万人減り、200万人を割った。

 

考察

減少傾向が定着し始めた去年ぐらいから、どうもユーザーの欲しいことと運営のやりたいことのズレが激しくなり、両者のフラストレーションが高まっていたことは明らかです。今年前半には運営が謝罪をし、体制も変えて地道な改善に取り組んでいて結果も出しているのですが、静かに有料会員数は減っている状況です。

私も、ここ一年ぐらいの動きを見ながら、機能的な不足がこの状況を招いたのか。Youtubeとの圧倒的なインフラの差なのか。そう思っていました。ただ、今日秋葉原の街を歩いて違うことを思いつきました。

その答えは「初音ミク」です。私もソフトウェアを10年くらい前に買いました。

 

 

当時1万5000円くらい。使いこなせなくてお金がもったいなかった気もしますが、買ってしまうぐらい当時は革命的なプロダクトだったと思います。当時の10代後半から20代中盤ぐらいの、眠っていた若い世代の音楽クリエーターやPVを作る映像クリエーターの才能を掘り起こすプラットフォームとしてニコニコ動画は機能しました。その時に活躍した人たちはプロになって今芸能界で活躍している方もいらっしゃいます。

 

matome.naver.jp

 

このように、若い才能を掘り出すためのプラットフォームとして10代後半から20代に圧倒的な支持を得たのがニコニコ動画であり、初音ミクだったわけです。

利用ユーザー層の統計を見るとよくわかります。

 

eco-notes.com

 

2010年

10代 22.5%
20代 45.2%
30代 20.3%
40代 7.7%
50代 2.2%

 

上記のように20代がほぼ半分おり、その両サイドを10代と30代が固めているという構成でした。非常にバランスがいいと思います。

これが、直近だと、

 

2018年

10代 10%
20代 39%
30代 25%
40代 16%
50代 5%

 

このように、10代の比率が半分以下に落ち込んでしまいました。20代の比率が減り、30代の比率が上がっていることが分かります。また40代も2倍になっています。

推測ですが、30代・40代は動画の消費者層にあると思います。仕事があるので凝った動画を作る時間はないはずです。そして初音ミクのブームを生み出したのは実はこの層だったりします。そして生産者層であるはずの20代は割合が下がり、10代が集まらない。この状況で、若い人の才能を見つけるプラットフォームとしての存在意義がどんどん薄まっているのではないかと思います。

そして、ニコニコ動画=初音ミクというイメージがまだ色濃くある時点で、今のニコニコ動画は20代のクリエーターのために存在していないことになります。今の若い人向けの何らかのツールが出てそれを使った映像作品が話題になる、そんな状況が生まれなければ20代が単なる消費者層になってしまい、誰も面白い動画を作らなくなるという悪循環にハマっているように見えます。

そしてこの有料会員数減少も、若い人の才能を発掘するプラットフォームを応援する意味で課金していた人たちが、機能しなくなりYoutubeにその活動の場を移している現状に失望し、退会する人が日々増えて行っているのではないか、そう推察します。

そう考えると、システム的な問題ではなく、才能を発掘する場としてのエネルギーをいかに増強していくかのほうがよっぽど大事ではないかと気が付きました。つまり、機械やソフトウェアに投資するのではなく、コンテンツを生み出す人に投資すること。有料会員から集めたお金をクリエーターに還元しつつ、良い作品をコストをかけて宣伝し世に広め、クリエーターがいい作品を作った時にフィードバックされやすい環境にすること。

特に、優良なクリエーターと専属で契約し、ニコニコからのみ放送すること。また無料で放映すること。例えばM-1やキングオブコントのようなコンペを実施して動画クリエーターを目立たせること。AmebaTVと提携しチャンネルを作って良い動画を24時間流すこと。目先の機能拡張だけではなく、いろいろできることがあるのではないでしょうか。ニコニ広告みたいな、お金でコンテンツを目立たせるような醜い機能も取り下げるべきだと思います。面白いコンテンツがお金で隠れていると思います。

 

ビジョンがずれるとみんなずれる

このまま突き進むと事業継続できないところまで落ち込むでしょうから、今のうちに思ったことを書きなぐっておこうと思いました。なぜ秋葉原を歩いてこんな記事ができたかというと、初音ミクのノボリを見たからですね。ただ、ニコニコ動画と秋葉原ってなんだか同じ空気があったので、今一つ昔より元気のない秋葉原と同一視したのかもしれません。

こんな機能作ったこんなサービス作ったこんな改善をした、ではなく、動画ランキングが上の人にどんどんお金をあげたらいいと思うのですがどうでしょう。もちろんニコニ広告のノイズは消したうえで。

技術的な競争相手ははごまんといるわけですから、これだけまだ集客できている状態からやることとすると、クリエーターへの集中投資。

どんどん面白いコンテンツが出てくるプラットフォームであれば、また有料会員に復帰してもいいかなと思いました。