orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

学生にも有給休暇を与えてほしい。学生だって時には休みたいはず。

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変わる有給休暇のイメージ

日本の雇用形態はほとんどがサラリーマンで、サラリーマンには有給休暇制度があります。正社員ばかりではなくパートタイマーだとしても条件を満たせば有給休暇が与えられます。仕事がありながらも安心して休みを取ることができる、これが有給休暇のコンセプトです。

私も学生から社会人になったとき、有給休暇制度を初めて知ったのですが、新人から5年くらいは全く有給休暇を取らなかったのを覚えています。なぜか。学生のときは一日でも休むと「欠席」という烙印を押されました。全部出席するのが当たり前で欠席はマイナスだからです。そうやって教育を受けてきて社会人になったとたんに、仕事があるけど休んでいいなんて言われても、結局その制度を使ったら上司や同僚から「欠席」的な扱いを受けるんではないかとビクビクしていたものでした。これが20年くらい前の状況です。最近は自分の裁量で仕事をコントロールできるので、有給休暇もほぼ自由にとれるようになりました。また、インターネットによって自宅からも仕事ができるようになったこともあり、オフィスに必ずしもいなくてもよいという環境の変化も大きいです。

そして、今や時代は大きく変わって、働き方改革、特に有給休暇については一年において5日以上は必ず取得しなければいけないという罰則規定まで設けられました。

 

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年10日以上の有休が与えられている社員について、年5日は必ず取得させるように企業に義務付けます。中小企業を含めすべての企業が2019年4月からその対象です。働き方改革の一環で労働基準法が改正されました。過重労働を防止し、休むときはしっかり休んで仕事の生産性を高める狙いです。

 

世の中の会社のうち、有給休暇制度がまともに成り立っている割合がどれくらいかはわからないのですが罰則がある以上は、真摯に対応しないと痛い目にあいます。これまでワークスタイルとして有給休暇を取らない人もいたと思いますが、それも許されません。日本人全体が有給休暇を必ずあるものとして扱い、向き合っていかなければいけないということになります。

 

有給休暇のいいところ

有給休暇の利点は、建前上はプライベートの用事や病気などで会社に出られない際の保険です。ただ、用事がないと休めないかというとそんなことはなく、「私用のため」なんて会社に言っておいて、家で引きこもってゲームを一日やっても何の問題もありません。根本的には、理由を考えることなく休みを取れるということが最大の利点だと思います。

会社に行きたくない理由はいろいろあるものです。精神的に疲れているのでリフレッシュしたいということもあるでしょう。また、仕事が暇すぎて仕事にならないので有給休暇にしてプライベートを充実させるということもできるでしょう。ただこのように利点があるから休むのではなく、休んでから何するか考えてもいいのです。人が仕事をしているときに休むのは、格別な味わいがあります。それでも給料が払われるのです。すばらしい。何をやっても自由だし、何をやらなくても自由なのです。

社会人のいいところの一つはまさにこの有給休暇制度にあると思います。この有給休暇制度を運用できない会社は猛省すべきです。企業の目的は利潤の追求と社会貢献にあるのですが、有給休暇を社員に提供できないというのは、利潤も上げられてないし、社会の一部である社員への貢献もできていないということです。有給休暇を社員が取得してもビジネスが継続し利益も安定的に生み出され、社員は自由を味わい会社員を続けることでの金属疲労を解消することができます。

すばらしい、有給休暇。

 

学生にも有給休暇があればいいのに

振り返って小中高を考えてみます。子供たちは、理由は分からないけど学校を休みたいことなどないのでしょうか。何年も学校に行き続けて、そのなかで疲れを感じることはないのでしょうか。仮に理由なく休んだとします。それは「欠席」であり「サボり」とみなされます。出席日数は内申書の個人評価に影響もします。評価基準の中で出席は善で欠席は悪です。

子供時代の教育の中でそうやって育てられてきたのです。社会に出てから有給休暇を渡されてもギャップがあり過ぎます。会社に認められている「欠席日数」だとしたら、欠席しないならしないに越したことはないという発想に行きついてしまいます。本来は会社人としての権利として堂々と使い、自分をいたわり、そして会社での仕事のパフォーマンスに還元していけばよいのです。しかし、教育から労働への橋渡しが全く設計そしてチグハグなのです。

もし、有給休暇を日本で当たり前の文化にしていきたいと思うのであれば、罰則規定も良いのですが同時に、学生にも「自由に学校に行かなくても許される日数」を与えられるべきです。それは欠席ではなく当然の権利として学生自身に行使させればいいのです。自分で休みを設定しそこでリフレッシュする行動を、若いうちから身につけさせないので、これだけ有給休暇を取らない日本人が存在するのだと思います。

時代は、「有給休暇を取ると仕事が回らないのは、生産性が悪い」「有給休暇を使わないとパフォーマンスが下がる」とまで言われるようになってきています。であれば、学生にも同様の仕組みを与えるべきです。その分、謎の「夏休み」と呼ばれる長期の強制休みを短くすれば良いだけです。子供だって、授業に行きたくない、部活に出たくない、そんな日が一定の日数だけでも許されてよいのではないでしょうか。同級生が勉強や部活をやっている間に、家でぼんやりできる自由が与えられたら、もっと学校は楽な場所になっていると思います。

子どもの不登校や、うつの問題など、大人と同じような問題を子供も抱えているのがわかっているのですから、働き方改革だけではなく、学び方改革も一緒に進めてほしい、と思いました。有給休暇を取って休んでいると、子供が休みを平日に決して取れないのがかわいそうに思ってしまいます。

 

 

かがみの孤城