orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

政治家に求められていることは、決して政策立案能力や説明能力じゃない

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一般人とは違う、政治家に求められるセンス

学校やビジネスの世界だけで生きていると、おそらくあの政治家の世界は割り切れないと思います。政治家に求められていることは、一般人の求められるそれとは全く違うように思います。

 

www.zakzak.co.jp

麻生太郎副総理兼財務相が、自民党総裁選(7日告示、20日投開票)に絡み、党首の「顔」「雰囲気」に言及した。石破茂元幹事長は「暗い」として、選挙を戦ううえで、安倍晋三首相(総裁)の方がふさわしいと主張したのだ。失言・暴言のように報じたメディアもあるが、党首が体現する雰囲気は、組織の士気やイメージにかかわる。リーダーの条件として、意外と本質を突いているのではないか。

 

麻生氏が人格攻撃のような発言をしたことで自民党の非支持層を中心にかなりの批判がうずまいたのですが、この記事の通り納得できる部分もありますので記事とします。

 

アレと同じ

40年超生きていると、自治会とか、マンションの理事会とかいろんな、「非ビジネス集団」にぶち込まれることがあります。何が特徴かって、お給料がないことです。そして能力で選ばれていないということです。一般の社会生活では能力主義ですよね。仕事ができれば給料が上がるし、役職も上がって権限も得られます。いわゆる生産性重視です。能力のある人に高度な仕事が集まり、報酬も上がる。ところが、この報酬を得られない集団というのは特殊です。役割や義務はあるんですが報酬がないんです。そうなるとどうなるか。能力がある人が立候補してやりがいのために役職に就くこともあるんですが、たいていは、「無難な人がいいなあ」でまとまります。いろんな立場の人がいるので、何か主張が強い人だと、意見がまとまらないんですよね。誰にでも明るくて、人の話を聞いてくれて、そんな人。有能な人ではなく、むしろ有能な人を邪魔しないで仕切ってくれる人が良い。

そういえば、安倍首相は石破氏の政策論争を完全に避けてますよね。

 

mainichi.jp

一方で陣営は石破氏が求める政策テーマ別の討論会には消極的だ。

 

これ、避けるのはごもっともだと思うんです。理由は官僚です。個別の政策については官僚が考えた方が絶対にいいものができます。なぜかというと、官僚は自治会じゃないんです。彼らは給料ももらうし能力主義だしで、立派にビジネスの論理で仕事をしているのです。政治家がわざわざ個別の政策を練りださなくたって、「こういうことやりたいな」って言うだけで専門スキルを持って具体化まで引き受けてくれるのです。政治家は神様ではないので個別の話に食い込んだら官僚もやりにくいに決まっています。ですから、首相という立場で個別の政策まで練りこんで論争するというのはやり過ぎだと個人的に思います。そういった意味で、政治家に必要なスキルとは、ビジネスに求められるそれとは全く異なるのではないかという感想を持っています。

 

生徒会長的な、学級委員長的な

先生からも信頼され、生徒からも人気があり・・、それって「政策通」じゃないですよね。あの人明るいよね、清潔感あるよね、かっこいいよね、きれいだよね、誰にでも平等に接するよね・・、いろいろな非言語的な評価項目が並び、ビジネス的な世界からすると生産性そっちのけなのです。「なんかいい」とみんなが言うそれ。もしビジネスの世界が人気投票に終始するならおそらく世界はこんなに発展していないはずです。ロジカルであり数字で決まり、政策がすべて。そんな世界から政治の世界を見ていると、あそこで生き残っている人は本当にすごいな、と思います。自分にはないスキルです。

そういう感想を持って、私は今回の総裁選を見ています。

 

政治家やめます。―ある自民党代議士の十年間