和田晃一良CEOを知る
コインチェック不正出金の事件が現在進行中ですが、会見中のCEOの若さに興味が湧き、情報収集しました。
会見の様子はこちら。
Wikipipediaより
和田 晃一良(わだ こういちろう)
1990年11月1日(27歳)
埼玉県入間市出身。西武学園文理高等学校卒業、AO入試で東京工業大学に入学、工学部経営システム工学科に進む。大学在学中、2012年にレジュプレス(後に「コインチェック」)を知人と創業し大学は中退、2014年から同社代表取締役。同社では代表取締役を務める他、ビットコインなどのウォレット・取引所「コインチェック」(coincheck)の開発者でもある。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2016受賞。日本仮想通貨事業者協会理事(2017年-)。日本ブロックチェーン協会監事。2017年、コインチェックアドバイザーとして西條晋一を招聘。
Wantedlyより
紹介文
2009年に東工大に入学。3年次からウェブアプリ制作会社でアルバイトを始め、そこでandroidアプリ、iPhoneアプリなど様々なものをつくり始める。その後、クックパッド主催第三回開発コンテスト24など様々なハッカソンで優勝し、その賞金を生活費として生きる。そして4年次の後期から友人に誘われ、大学を休学し現在のStorys.jpを共に立ち上げる。
経歴
ResuPress : CEO, 最高技術責任者
人生のストーリーを共有する、STORYS.JPを開発、運営。
大学4年の6がつ頃からプロジェクトがスタートし、会社を8月に設立、次の10月で大学を休学しResuPressにフルコミットしている。
現在もここで働いている。オフィスは渋谷。サイバーエージェント: 業務委託社員
2012/5〜2012/10
iPhone, Androidアプリの開発株式会社NEOPA : アルバイト
2011/4〜2012/10
大学3年の4月から働き始めたアルバイト。
受託が中心でAndroidアプリ、iPhoneアプリの制作等を行っていた。
サーバーサイドではPlayFrameworkなどを扱う。SPIRE(現在:UNITED) : インターン
2011/10〜11
1ヶ月程度のインターン。チーム3人でひとつのandroidアプリを開発し、リリースする。
ツイッターアカウント
GitHub
Qiita
ニュース記事等から
①
皮肉な文章が残っている。2017/12/30の記事だから、まだ1ヶ月経っていない。
特にまだ資産保全されていない仮想通貨の取引所は、「マウントゴックス」の時にように何かあった後では遅い。
②
ツイッターに、大量に情報が。
このツイートも・・・。会見中の二人だ。
https://twitter.com/coincheckjp/status/947661339161370625
大塚氏との出会いも。
https://twitter.com/wadakooo/status/944780396767481857
チケットキャンプの問題も認識。この時点ではまさか自分が、渦中の人になるとは思いも及ばなかったでしょう。
https://twitter.com/wadakooo/status/938700045288800256
砂上の楼閣とはよく言ったもので。
https://twitter.com/wadakooo/status/942736528668729345
③
これだけユーザーが増えるとインフラの増強も大変で、エンジニアやサポート体制の強化など、社員数も1年前の20倍近く増えています。
逆算すると、2016年は社員数は4人だったということになる。
――金融庁による仮想通貨交換業者の登録が始まりましたが、コインチェックは継続審査となっています。登録状況を教えてください。
継続審査となっているのは、扱っている通貨の多さが背景としてあります。ビットコインやリップル以外にも、さまざまな通貨を扱っていますが、それぞれを金融庁としてはしっかり確認したいところだと思います。金融庁では、登録した仮想通貨取引所が取り扱っている通貨をリスト化していますが、ここに掲載されるとなると、ユーザーからは暗に金融庁が承認した仮想通貨として見えてしまう可能性があります。国内だけなら良いですが、海外から「日本が怪しいコインを推奨している」という見られ方をしてしまった場合、国際的な立場が揺らいでしまいます。
核心をついている質問がここにあった。まだコインチェックは金融庁登録が完了していない。この記事が2017/12/30と直近なので、歯切れが悪いのは今に始まった話ではなさそうだ。
④
良記事。storys.jpが和田CEOの出世作だが、これを通じてビリギャルというコンテンツが生まれていたことがわかる。これを生み出せたので、東京工業大学を中退した、とある。
刺激的な文章がある。
MTGOXの破綻があったからこそ参入した
投資家らはこの事業に反対したという。というのも当時はビットコインにはマイナスイメージがつきまとっていたからだ。2014年2月、東京渋谷にあった世界最大の取引所「MTGOX(マウントゴックス)」が破綻、メディアでも大きく取り上げられていた。
しかし、和田さんらは「だからこそチャンス」だと思ったという。
「マウントゴックスの破綻があったからこそ、大企業や上場している企業は参入できない領域だった。スタートアップからすると逆にチャンス。当時は自分とCOOの大塚ぐらいしかメンバーがいなかったので失うものがなかった」
失うものがあるのは、CMにつられて入金した方々、という構図でしょうか。CMを打ちはじめたのは2017/12/13とのこと。この記事も2017/12/27なので、まるでフィクションのようだが、フィクションではない。
まとめ
ざっくり、下記を知りました。
・和田 晃一良氏は、学生時代にWEB開発者としての技術を、インターンやアルバイトで学んだこと。
・storys.jpというサイトを立ち上げ、ビリギャルのコンテンツを生み出し、これが起業のきっかけになった。大学もここで中退。
・Wantedlyで大塚氏と出会ったこと。
・2016年で社員が4人から80人に増えたこと。
・マウントゴックスの事件は知っていたが、他のベンチャーが警戒している状況なので逆にチャンスだと思ったこと。投資家にはほとんど何も相談せず始めたこと。
・金融庁への仮想通貨取引業者登録が遅れていることは認識していたこと。
考察
以前の記事で、社会人の能力は「スキル×モラル」と書きました。
また、モラルが未成熟で、スキルが高いエンジニアが、問題を発生させてしまいました。和田氏がモラルを軽視していたということではありません。モラルを学ぶ時間が少なすぎたと思います。
27歳に、なぜ数百億という価値を扱わせてしまったのか。それを考えると、お金を預かる会社の財務情報が全く非公開な中で、ビジネスが成り立ってしまっていたという行政や立法側の問題もあります。
チケットキャンプや漫画村の件でもそうですが、法律が間に合っていない分野で、グレーゾーンをついてIT系のスタートアップが迅速にビジネスを立ち上げ、問題になっていることが多すます。規制が隅々まで行き届いている分野でのスタートアップは厳しいという裏返しだと思います。
これだけ、ITベンチャー系が問題を多発させている状況では、急速に規制が進むものと思います。ビジネスがうまくいく時に必要なのは、モラルやセキュリティといったディフェンスであり、CMや新機能などのオフェンス部分は二番目にすべきであることをまざまざと見せつけられた本件でした。
和田氏については、今後の責任を果たしたうえで、ホリエモン氏のようにたくましく生きて行ってほしいな、と思います。貴重な経験をされたのですから。
追記 2018/1/27 13:20
この件、解決する可能性が出てきました。
追記 2018/1/27 17:05
理解を深めるために、仮想通貨をめぐるお金の流れを考えてみました。
追記 2018/1/27 18:10
こんなことが起きても仮想通貨の価値が保たれる理由も考えました。
追記 2018/1/28 2:15
コインチェック社より補償方針が示されましたのでお知らせいたします。