orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

チームの仲がいいという、無形資産

 

仕事=チームでやるもの、というのはほとんどがそのケースだと思うが、このチームというのがくせもの、である。人間が寄せ集まっているが、特に望んで形成したわけじゃない。学校の仲良しグループとは話が違う。生い立ちも違えばキャリアも違い、そして年齢・性別に、性格特性まである。仕事達成を共通目的とし、会社が適性に基づいて役割を決定しチームを編成する。

優れたマネージャーが人間を見抜いてアサインし、かつ候補者もたくさんいれば、リスクも減るのだがどこもそうは行かないだろう。食べるために仕事優先でチーム形成され、ギスギスしながらも調整し合って何とか結果を出すのが大人である。

仕事効率だ生産性だと言われるが、この「チームの仲」というパラメーターは全く見えないながら、大きな影響を及ぼす。これを何の因果か、管理職が責任を持たなければいけないというから、管理職って本当に、特殊で高等なスキルだと思う。だって、公式がないのだから。集まる人もその時々によって変わるので、毎回同じ手段が有効とも限らない。そもそもこんな人をチームに入れんじゃねぇ、と思ってもその権限が自身になかったりする。

学校の先生(特に担任)と似ていると思うのだけど、チームの仲を形成するのに、個々と仲良くなるってのは違うと思う。クラスに40人いたら全員仲良くするなんて不可能でしょう。ただ、全体を把握する目と情報網は築かないといけない。そしてその情報をもとに予兆を見逃さずすぐ動く必要がある。人間関係は、手遅れ、が最も厳しい。もし、特定の誰かと仲が良かったりすると、「XXにやさしい」「XXをえこひいきしている」なんてやっかみも出るので、大変な立場だと思う。

過去、私はプレイングマネージャー、つまり技術的な仕事を廻しながら、人の世話をするみたいな立場だったけれど、これを今年、完全にやめた。プレイングマネージャー時代は10年ぐらいあったけど、一部を除いて身を引き、ビジネス拡大に注力することとした。ビジネスを拡大すると人が必要になりそしてチームを形成するが、そのチームの定義はするものの、「仲の良さ」を維持したりメンテナンスすることはもうやっていない。

もちろん、私の方から仲の良さを破壊することは絶対にしないが、その良さを育んだり、問題の対応をしたり、は私は見ていない。この分野が上手な人がいることを強く認識した。それより私の強みである、ビジネス拡大や技術的対応の分野を優先した。

この「ビジネス拡大や技術的対応」と「チームの仲の良さ」はたまにぶつかり合う。すごく大変な状況のときに、仲の良さ、働きやすさなどに構っておられず、厳しい指示をしなければいけないシーンはある。一方で、人々が健康であるかを常に考え、ビジネスにブレーキをかけてでも人を優先することも、時には大切である。

これらを「ひとり」でやるのは、ダメなんじゃないか、と気が付いた。

 

「仕事は絶対に完結しろよ、失敗するな、方法論は用意するから、よろしくな」

「無理するな、大変な用だったら何でも相談しなよ、必要なら方法を考えるよ」

 

この2つを同じ人が同時に言うと、支離滅裂になることがあるからである。

結局はプレイングマネージャーが部下の無理を背負わないといけなくなり、首が回らなくなる事例多発、である。首が回ったとしてもチームメンバーの心までは手が回らずに、「チームの仲」が最悪な方向に向かってしまう。

間違いなく、チームの仲がいいのは、仕事に大きく関係する。だからこそ、その構築をどう進めていくかについては管理職業務の特殊性・独立性を認め、現場の技術論とは切り離すべき、であると思う。