orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

なぜ、日本人はあえてプレイングマネージャーになろうとするか

 

例えば強い意思を持ってプレイングマネージャーを卒業しようとしますよね。

 

president.jp

僕は考え方を変えました。

「僕1人なら10しかできないところを30や40にするために、チームみんなでやるんだ。部下たちは、そのために頑張ってくれる仲間なんだ」

「仕事を教えてあげる」ではなく、目標に向けて手伝ってもらうためにどうするかを考えるようになりました。プレイング・マネージャーであることに変わりはなかったのですが、メンバーと一緒にいる間はマネージャーに徹することにしました。メンバーの仕事を見て、声をかけ、相談にのります。

できるだけフラフラして、ヒマそうに見せました。忙しそうな上司には声をかけにくいと思ったからです。自分の仕事は、メンバーがいないときにやりました。朝早く出社して早く帰り、家でおこなうなどしていました。

 

こういう人、はっきり言いますといずれ「働かないおじさん」と定義されるようになります。あの上司は、仕事を人に回すばかりで自分では何もしない。それどころか判断まで丸投げしてくる、という扱いを受けることもあります。

ヒマそう、ではなく本当にヒマになります。仕事を任せ続け、そして全部任せ終わったらどうなるでしょう。スケールアップしていく組織をただただ見ているだけの人になります。それはあなたの手柄なのだ、と褒められるのは数年。もっと経過すると、今度はリストラの対象になるというのがオチです。

また、この人の管理。うまい人がたくさんいるんですよね。というのも、どの業界も人の管理能力は必要なので、身につけている人も多く代替可能です。中途採用や異動で管理職を引っ張ってくればいいので、「交換可能人員」の仲間入りというわけです。

 

こうやって、考え方を変え、やり方を変えたことで、チームの生産性は大きく伸びました。あんなに「頑張っても成果が出ない」とストレスをためていたのに、むしろラクに成果が出るようになったのです。メンバーが育てば、マネージャーはラクになるのだと実感しました。

 

そう、ラクになった挙句、自分の仕事が激減し、そして会社から肩たたきされるというシナリオに乗った沢山の人々が、希望退職・早期退職で会社を去るという現象を一昔前に見ています。

もし、プレイングマネージャーで権限があるとして、きっと、そのコアとなるスキルやテクニックについて、本当に頭がいい人は簡単に手放さないはずです。部下たちに、オープンに教える姿勢は保ちながら。この業務は非常にミッションクリティカルなので、私がやろう。そうやって独占業務を作り出し、自分がいなくなったら業務ごと傾くからね、という仕組みを作り上げるのです。

本来はこういうことをやらせないために、定期的な人事異動で属人化を防ぐのがこれまでだったのですが、近年、専門領域が行動化していること。そして、ジョブ型雇用の浸透化で、むしろ手放さないほうがモダンな状況となってきたように思います。浅い知識を横に広げても、グローバルな競争では勝てないことがわかってきたからです。

管理職になるから専門領域の仕事を手放す、というのは、管理職へのジョブチェンジを意味し、その競争に買っていかなければいけない。これを覚悟する必要があります。今や、管理職ですら専門職です。そして競争相手は全業種にいます。

簡単に、プレイングマネージャーはダメ、なんて言う社会じゃないように思えます。会社のことばかり気にして、専門スキルを簡単に手放し、自分の人生を犠牲にしないようにしてください。