orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

プレイングマネージャー論

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IT業界は、20代で会社に入った後に1年、3年、そして10年の壁があるように思う。

1年経過までにまず業界の文化に慣れられるかどうか。合わないと思って業界から去る人はかなりいる。これはこれで得策のように思う。合わないという感覚を持ちながら過ごしていくのは辛いだろう。感覚として合わない人が時間とともに合うというのは稀だ。また、どうせ会社を変わっても技術内容や考え方は同じなので、脱出することを拒めないとは思う。

3年経過したあたりは、ある程度仕事内容を把握したときだ。この会社に長くいることに本当にメリットはあるのか。今では転職も完全に売り手市場なので、経験者募集を狙って給与水準を上げに行く人がいるのはなるほどだ。もしくは残って会社の成長に自分のステージを乗せるというのも判断だ。

そして10年。ここまでである程度、会社での自分の将来が見える。たいていは自分の領域についてはマスターしているのでここから違うポジションが社内にあるのかどうか。もしジリ貧なのであればこれも転職を考え始めてよいときだろう。

この10年経過あたりで、マネージャーのポジションに上がる人は多い。ただこの流れなのでプレイングマネージャーになることが多い。規模はともかく組織のリーダーになるのだけど、一番実装に詳しい存在。たくさんの人がプレイングマネージャーをこの業界ではこなしていると思う。

私もプレイングマネージャーを長年やってきたが、最近では反省しきりだ。このプレイングマネージャーというのは組織をいかに継続させるかにおいて、とても良くない。良くないのにプレイングマネージャー職をコツコツと固めてしまったな。したがって、今自分で固めたくせに、自分で壊しているという状況に陥ってしまった。

マネージャーなので部下がいるものだが、どうもすべての指示した仕事に口を出し過ぎた。もちろん自分が一番知っているし、その内容をやってもらわないと危険だという動機自体は正しい。しかし、部下の発見や工夫を全部奪ってしまう。やっぱり自分で考えて仕事しないと身にならないのに。そして、任せる仕事を絞ってしまっていた。これは高度過ぎるので自分がやろう。それは保身にもつながる。難しい仕事をできるのは自分だけで、部下にはやらせない。それで自分がプレイヤーとして価値を保とうとしてしまう。これは決して言葉にする人はいないし、「これは難しいので私がやるね」というのは一見自然に見える。しかしこれをやっていては永遠に、組織全体の技術力が上がっていかないのだ。

この2点、

①口を出し過ぎる

②難しいことをやらせない

もうこのシンプルな2点は、おそらくプレイングマネージャーをやると大抵はまる2つの穴である。

さて、口を出し過ぎないのは気を付ければできるが、もう一点必要なことがあり、部下に何をやらせるか、である。この何をやらせるかにおいて、戦略がないといけないのをこれも最近痛感した。やらせるやらせない以前に、部下が何をできるかを解像度高くマネージャーは把握しないといけない。これはできる、これはできない、を一覧化し、できないことを優先的にやらせる。そうやって地道にマネージャーは部下に戦略的にタスクを渡しつつ、しかも口出ししてはいけないのだ。できないのであれば、部下が言語化し相談してくるのを待っていないといけない。わからない、苦しい、の先にしか理解はない。彼らはそれでやっと勉強し出す。自分に足りないということを自覚させることによって。

マネージャー群はこう思うのだ。自分が下っ端だったときは現場の足りないところを見つけ出し積極的に仕事した。足りないと思ったら自分で勉強した。自分の部下たちもそうやってくれるだろう。

否、やらない。ほんとに。

自分ができたからそれを人に要求するというのは、戦略の放棄だ。教育に関しては再現性がないといけない。ということはやはり、スキルの把握とタスクの戦略的な割り振り。そして最後に、丁寧なフォローアップが重要となろう。

もっと早く気づければと思うこともあるので、ここに書いておく。誰かの役に立つといいなと思う。