orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

いいことを待ち望まず、悪いことを避ける生き方をしている

 

いいことを待ち続けることを若いころはしてきた。他人はこんなにいいことを経験しているのに、私にはない。常にいいことが起こることを待ち、そして起きない。待っているだけでは何も起きないので、何かアクションを起こさないと、起こし続けないと、みたいな焦燥感を感じ続ける日々のことは覚えている。リスクを取ることに躊躇せず、より攻撃的な日々。なにか選択肢があったらリターンが大きいとされる方を選択し続けた。その結果、色々傷つくこともたくさん経験したし、学ぶこともたくさんあった。

今、2023年も終わりそうな今に立って、さて、これから「さらにいいことを!」なんていきり立っているかと言えば全然違う。ここ最近に思うのは、悪いことが起きなかった今日に安堵する日々のことだ。つまり、悪いことが起きませんように。悪いことにより、自分の身が悪い方向に行くことに対してとても敏感になっている。少しの変化も見逃さず、何かきっかけのようなものを発見したら、全力で叩き潰すようにしている。小さな芽からいつも何か始まるような気もするので、予兆レベルでもおおごとのように扱い、これまで培った経験を使ってあらゆる方向から封じ込めるようにしている。

いいことなんて、自分自身がコントロールできることでもない。外部環境の変化で引き起こされることが多いし、運も絡んでいて、それを自分から掴みに行くとかって、効率が悪いことに気がついた。棚からぼたもち的に、いいことはやって来ることが多いので、それならそれで感謝して受け取るだけである。自分の方から無理やりつかみに行こうとしたところで、得られた記憶がないという判断もある。

むしろ悪いことがあるときは、いいことが起きたとしてもそれを受け取れる余裕などないのである。いいことを発展させられないから、チャンスをフイにしてしまう。それよりも、まずは普段から、平穏で平和で安定した状況を作り出すこと。そんな人にいいことが降ってくるということに気がついたのは、そうだな、ここ最近なのかな。

システム運用という仕事も、人生というストーリーも、まぁ良く似ていて、しっかり目の前を見ていろというのが秘訣にほかならない。遠くの方ばっかりみてすぐ飛びつくとだいたい落とし穴が掘られている。落とし穴だと思うのは当人だけで、はたから見たら明らかに階段になっているのに突っ込んでいっているだけなのである。そんな手に入るかどうかわからないものに躍起になるより、まずは目の前、少しの予兆も逃さないこと。その姿勢こそ大事である。

いいことを待ち望まない、なんて謙虚な姿勢に聞こえるけど、実は強欲である。何も失いたくないということだ。失わなければあとは得るだけでしょ?、ということだ。そう、ここまで傷だらけで得たものはすこぶる大事にしつつ、もしかしたら得られるかもしれないいいことについては、期待せずに待っている。とにかく、毎日、ああ今日も何も無くてよかったな、すばらしいな、と思って前に進んでいる。

何もいいことがないな、なんて日々鬱々としているよりは、全然いい心構えだと思うのだがどうだろうか。