orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ミスしていい仕事はあるか

 

仕事はミスしてはいけない、と思い込んでいる人が多いようで。

もちろんミスが多大な悪影響を与えることがあるので、全てのミスは許容できないけど。私の場合は、人間がやっても、むしろ機械がやってもミスというものは起こり得ると思っている。

ミスがどのような文脈で起きたのかは、調べてみないとわからない。人間がミスを誘発するような仕事だった可能性もある。ミスをしてもいいやと人間自体の状態が問題なこともある。10000回やって1回しか起きないことが起きた可能性もある。

ミスは一定の確率で起こる、ということを前提にマネージャーは仕事を組み立てる必要がある。仕事の手順を事前に有識者に確認してもらう、いわゆるレビューは、有効な手段として知られている。また、作業時に一緒に有識者に確認してもらう方法も良い。

ミス無く仕事を終えて、はい終わりではなく、反省をするというのもいい手段だ。あの場所は危険だった。もっといいやり方があるはず。これがないと今は良くてもいつかミスをする。自分がミスしなくても他人がするかもしれない。このために時間を使うのも仕事だ。

このように、ミスは必ず起こり得るという前提の元、個人の能力にミスが起きないことを依存するのではなく、仕組み全体でミスを再現させない努力をチーム全体で行っていくのが、ミスとの付き合い方だと思う。

 

このような文脈でミスを見ているので、個人がミスをしたときに個人を責めるのはお門違いだと思っている。本人が自分を責めたりして悔やんでる姿は微笑ましいけど、マネージャーの立場だとしたら、なぜミスが起きたのかを一緒に知りたい。また、そもそもミスが起きたとしてもどうにかリカバリーできるように設計するべきで、そうじゃないような危険な作業を、「ミスするような人」に任せる方も悪い。

マネージャーの立場はそこまで読みきらないといけないし、懲罰に頼るようなマネジメントは三流だ。むしろ作業はすればするほどミスとの遭遇率が高いわけで、ミスする人を責めるなら誰も作業をやりたがらなくなるだろう。ミスした人自体が一番情報を持っているので、むしろマネージャーはミスした人と仲良くして一緒に協力していくというのが大事だ。

チームでミスが起きたとしてお客様に謝りに行くのがマネージャーの仕事・・でもない。謝りに行くことでメンバーに恩を売るという姿勢もおかしい。ミスがお客様に到達するのは組織の仕事の仕方に誤りがあったということになる。マネージャーが組織の仕事のあり方に責任を持っているのだから謝るポジションなのは明白だ。だから、メンバーはマネージャーに感謝はしてはいいけれども、メンバーのことを思って謝っているわけではないことは知るべきである。謝ることが仕事ではなく、ミスを起こさないか、起こってもお客様に迷惑をかけない仕組みを作ることがマネージャーの仕事なのだ。

 

ミスしていい仕事があるか。この答え方は非常に難しい。ミスが起きたとしても顧客に迷惑をかけなければセーフ。しかしそれでもミスそのものが起きないように改善を続けていく。これぐらいの気持ちじゃないと、仕事なんて長年続けられないと思う。だって、人間がやることだもの。助け合って、できるだけ起きないようにしていきつつ、起きても大丈夫なようにする。技術が未熟な若手だって、ミスを恐れていては経験が積めないからね。