orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

若手に痛みをどう伝えるか

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自責障害、という言葉で表現される、いわゆるオペミス、というのは本当に怖いものである。自分が、それをしたことで、障害が発生するということ。

オペミスを掘り返していくと、かなり初歩的なミスであることが多い。勘違いしていたとか、値を間違えたとか、手順が逆転したとか、なんでそんなことをしたんだろうと本人も後悔するのだけれど、起きてしまうのである。

起きた結果、本人を責め立てて、詰めて、反省の言葉を引き出すのはいいんだけど、これはマネージャーにとっても本人にとっても嬉しいことではない。できれば人を問い詰めるなんてことはしたくない。何か合意したとしても、起こる前と後では、ギスギスした雰囲気は残るからだ。

たいていのマネージャーは、オペミス等による障害による「痛み」について体験していることが多い。とにかく痛いのだ。心が。だからメンバーにはできるだけ経験してほしくない。だからこそオペミスを起こさないために、いろいろメンバーに指導する。指差し確認やら声出しやら、作業ネコのような具合である。そしてメンバーはそれを「うざい」と思うわけである。

マネージャーが心を痛めているのにメンバーがそれを汲み取れないのは、原因がある。痛い思いをメンバーがしたことがないからである。それはマネージャーが普段がんばっているからである。だって、障害は起こしたらいけないもの。そして、起こさないための知恵もたくさん伝えられてきた。いろんな工夫でオペミスが起こらないようにマネージャーが先回りしメンバーを守っていくので、結果としてメンバーは痛みを知らないまま時を過ごしてしまうのだ。

少し時間を巻き戻せば、昔のコンピューターシステムは、障害がたくさん発生していた。そのため今のマネージャーはたくさんの痛みを経験できていた。ところが、社会はデジタル化が進み、少し使えなくなっただけでネット記事になってしまう。若手はオペミスすらできない状況になっている。つまり、痛み不足なのだ。

そして時はやってくる。多少の技術をおぼえた若手、そして痛みをしらない若手は、勇猛にも手順を省略したり、ない手順をやったりと、横着しだす。そしていつしか穴にハマるのである。痛みを知らないからこそ、戦場に無防備で駆け出し、そして初めて痛みを知る。こんなに痛いものなのか。なぜあんなにマネージャーは口を酸っぱくしていろいろ言うのか。わかったと同時に、初めて味わう痛みを知るのである。

できれば、夢の中でもいいから、オペミスしたときの自分の状況を仮想体験させてほしいよね、とも願う。本当に痛いから。痛みに耐えきれず業界を出ていく人だっているぐらいだから。最近はそのオペミスによる被害もうなぎのぼりのように思う。社会インフラに近い存在となりつつあるから。各社障害報告を出すけれど、あれには絶対個人名を出さないようにしている。それは業界の優しさだ。痛みを知ったらもうやらないよね、って。でも、被害の大きさに耐えられない人も増えているかもしれない。もう、障害は、簡単なオペミスのせいにはできないほど、迷惑度が上がってしまっているよね。

どうやったら、この痛みを伝えられるか?。

悩ましい日々は続く。