orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

本物を顧客に届け続けるという最強の営業方法

 

会社員をやっていると「どうやって売るか」「どう潜在顧客にアクセスするか」ばっかり気にしてしまうようになる。どんな商品やサービスでも、営業方法さえ良ければ売れるという錯覚にかかってしまう。売上目標を立て、何しろ売る。10の力を使って10売れるのなら、20の力を出すことができれば20売れると。そして、何の工夫もなくゴリ押ししても効率が悪すぎるので、じゃあどういうふうに営業すれば届くのかを考える。いわゆるマーケティングの問題に行きつく。

この志向の最大の問題は、商品やサービスそのものに何も思考していないこと。どうやっても売れないものを売ったとしても、きっと顧客には失望しかないので、リピートしない。商品そのものにまず魅力がある必要がある。商品が顧客に取って「本物」である必要がある。まがい物だと、顧客にすぐもしくはいずれバレる。それだと、買わなくなるし、知人に口コミを広げることになる。あの商品、サービスはまがいものだ、と。

商品やサービス自体が、まず本物である努力を欠かさないこと。そのためには、それが顧客に渡った時に、どんな感動を呼ぶかを精一杯考えなければいけない。感動を最大化するために創意工夫を凝らさなければいけない。いいものを作れば必ず顧客に届くだろう、と言う考えはこれはおかしい。ちゃんと目を見開いて、顧客の顔を観察しなければいけない。喜んでいるのか、いないのか。なぜ喜んだのか。なぜ喜んでいないのか。様々な反応があろうが、全部知ったほうがいい。知ることにおいては両極端の意見は重要だ。

その上で、顧客が喜んだ理由に全振りして、その方向性を延ばし、感動体験を強固なものにするというやり方もある。もしくは、感動しなかった人の意見を聴き、改良を加えてもいい。これは実は両立できる。商品やサービスを分割して二種類売る方法もあるし、見せ方を工夫して短所を見えなくする方法もある。

そこまで商品開発側でストイックに突き詰めるからこそ、営業サイドでも創意工夫を加える意味が出てくる。というのも、顧客に届いたら感動が生まれることが確定的であるならば、あとはつなぐだけだからである。その後、感動した顧客は先ほどの例とは逆に、誰かにまた感動を伝え興味を伝播してくれる。感動とは人に伝えたくなる性質のものだし、今はSNSもあり社会の伝播力は高まっている。営業はそこへのつなぎをすればいいのであるから、やればやるほど成果は上がって行く。

何となく商品は一定水準であれば、営業力次第という思い込みが自分の中で発生していたような気がした一件があって、反省がてら書いてみた。本物が目の前にあったときに、私も感動するわけだが、この感動が受け手全員にあるのであればある意味営業など不要なのかもな、と。あとは受け手を増やすだけの話で、そこに情熱を注ぐより、肝心の商品やサービスに力を注ぐべきだなと思った次第だ。特に、商品やサービスに直接関わっている人は特に。営業は営業で特別なスキルであるので、その道の専門家に任せたほうがうまく行く。