orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

仕事を整理するより、人を整理することが先決

 

一人ではこなせない量の仕事は組織で分担して対応していくしかない。組織論になるとIT技術者は「専門外です〜」と逃げる人も多いのだが、結論としては逃げようがない。組織で対応しなくてもいい仕事なんて、とても規模が小さく責任もなく、いつか切り捨てられるだけの儚い仕事なのだから。

だからとて、やっぱり組織論は苦手なので、どうしても技術論から入ってしまう。この仕事はこうやってこなしたほうがいいを積み上げて、全体の仕事のこなし方をデザインするところは、流石にITの世界の人は上手な人が多いと思う。

ところが、いびつな組織をそのままにしておくと、どこかで情報や仕事が停滞してしまうことを何度も経験した。特定の人の能力が組織設計に対して劣っているために起こりがちだ。このポジションにはこういう期待を込めたが、当の本人がミッションを理解していなかったり、そもそも苦手だったりして想定通り動かない。そりゃ人なんて、優秀な人がいくらでもいれば、たいていはスムーズに動くのであるがそうはいかない。やらせてみようの精神はいいが、やらせてみたらてんでダメだったということは想定するべき未来の一つである。

こういうときに、今のいびつな組織でもうまくいくようにと、手を変え品を変え小さな改革をいくつも断行する。この仕事の一部は彼に彼女に任せて、それでもこぼれたらマネージャーが拾って・・なんてやって、短時間の間しのぐという方法を取ることもある。

しかし、この小手先で対応する方法は、また同じように忙しさが押し寄せるとまた同じことをしなければいけなくなる。毎回例外条件を発動していたら、せっかくのワークフローが一度もそのまま動かないよね、となる。

上記のケースだと、そもそも能力が満たない人物を要職にしておくことそのものがボトルネックなわけだから、能力のある人を変わりに入れればいいかというと、たいていそうはいかないし、しない。

なぜなら、要職を外された人のモチベーションが大きく下がるからだ。アサインしたのはマネージャーなのに、君は能力が足りなかった、外すね、なんて判断を何度もしていたら、きっともっとパフォーマンスは下がるだろう。本人は十二分に努力しているのがたいていで、わざわざ失敗体験を与えるのは残酷であり、人を活かさない方策だ。

為すべきは仕事の整理より、人の整理。

ボトルネックになる人にもう一人付け、かつできるだけ優秀な人を就ける。あとは話し合ってやってくれ、良い方法を採用し、パフォーマンスが出るように工夫してくれ。

仕事の内容には細かく触れず、明確な結果だけを期待し、それを実行するための人の数と能力を拡張する。そうすることで、その役割をこなすリソースは増える。

今回のような思考の仕方は、組織が成長し仕事量が増えていく上で、技術論以上に重要になる。初期はこなせていたことができなくなっていくスタッフへ、もっとできる人に替えるから、なんて言うのが一番の間違いである。仕事の中でボトルネックになっている役職はたいてい要職である。それならそこに、さらに組織の中でだぶついている位置の人を異動させる。

私自身は、コンピューターを眺めて一日中仕事をしていたいタイプなので、ほんとこういう話は、必要に迫られて発想する。ただ、組織がギスギスしだすとたいてい組織変更待ったなしみたいな状態に成り、時間をたくさん取られる。だからこそ、先手をいつも取る姿勢。仕事が落ち着いたときに、素早く人の整理をしていくこと。技術論は二の次であり、かつ組織がうまくまわっていると、メンバーレベルで技術的な調整をしてくれる。避けては通れない組織論である。