orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

一度だけ転職することの良さ

 

一度だけ転職することの良さというのは、一度も転職しない悪さ、という意味でもある。

転職しない人を見ると損していると最も思うのが、「キャラ」の問題である。新卒から入社していたので必ず先輩がいる。この先輩−後輩の関係性が鬱陶しいのである。

新卒もいつまでもぺーぺーではなく、キャリアを積んで高度な仕事に挑戦していくはずである。ところが、1年目、2年目でお世話になった先輩はいつまでも新人扱いしてくる。本来の仕事を評価せず、イメージを押し付けてくる。「お前はまだまだだぞ・・」。

まだ若手の頃ならいいのだが、30代に到達しても同じような扱いをされることがある。40代にも稀にいる。

新人からベテランまでのプロセスを非常に長く設定され、がんばってもがんばっても、社内での新人キャラが板に付いてしまい、評価もなかなか上がらない。

この大変損な位置取りが可視化されるのが、中途採用が社内に入ってきたときだ。いきなり自分の上にアサインされたりすることもある。自社の生え抜きで長年がんばってきたのに、突然自分の上に登場するのが中途採用、しかも年齢も近いと、自社でがんばってきたことが虚しくなってしまう。

なぜか、自社でのキャリアが過小評価され、他者のキャリアのほうが過大評価される傾向が存在するように思う。その前提で言うならば、転職しないで残り続けるより、ある程度の経験を持って一度だけ、他社へ移った方が合理的という判断は成立する。

特に、会社自身が他社に対して技術的に劣っているというコンプレックスがある会社ほど、社内キャリアを軽視する傾向にある。経営成績に満足できない状態で生え抜きを出世させるより、業績の良い会社から引き抜きそのキャリアを自社に転用したいというニーズのほうが勝ってしまうのだ。

 

今、オフィスに居て周りを見渡してみると、実際、新卒生え抜きが一人も居ない。そういう会社にるから、と言われればそれまでだが。どうにも人間、第一印象というのは大事で、未経験者や初学者のような姿で初期の数年を過ごすと、エキスパートにキャラ変するのは大変じゃないか、と思うのだ。

特に1度目の転職の場合は、職務経歴書も1社経験なので、とてもきれいな経歴になってお得だ。3社4社となると、もし採用してもまたすぐに出ていくんじゃないか、採用先には警戒されがち。初めての転職だと採用側も夢を見られるのだ。ぜひ自社にフィットして頂き活躍して頂きたい、いう思考となる。

私自身が過去、それで得をできたという経験が大きいが、今持ってその理屈は成り立っているのではないか。毎年新卒採用を潤沢に行い、中途採用を基本取らないような、昔ながらの大企業は話が別かも知れないが、今やそんな時代ではない。

一度も転職したことがない、という人は、まずは転職に興味を持ってほしいとは思う。一度目が一番高く売れる。転職後活躍できれば、もう転職をする必要がなくなる。

そういう意味では、転職したことのない方にはぜひ、転職活動とは何かだけでも興味を持って頂きたい。デジタル化が進み、負担のない転職活動が昔よりやりやすくなっている。特に、自社内で新卒の頃から続くキャラに苦しんでいる方は検討して頂きたいところだ。