orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

昔一緒に働いたあの同僚はどこへ行った?

 

終身雇用が未だに守られている一部の優良企業には当てはまらないかもしれないが、ほとんどの会社はそうなんじゃないかな、と思うことを書く。

新卒、もしくは中途採用で入社する。入社した時はみんなおめめがキラキラで、将来の希望にあふれている。この会社でがんばろう、という意思が強い。なんとなく入る会社なんかはなくて、人生の貴重な時間の結構な割合を消費するのだから、考え抜いて決断している。

入社して数年、5年か10年か。かなりの割合の方々が「この会社ではいけない、移らないと」と思うようだ。どれぐらいの割合の人が退職しているかを表すパラメーターを離職率と呼んでいる。離職率が高い、会社/業界は存在する。ただ言いたいのはそこではなく、俯瞰的に見るとどんな会社でも、長い時間軸で考えるとかなりの人が辞めていくということだ。

そんなに人が辞めていくなら会社がまわらないではないかとシンプルに感じるのだが、どうも会社というものは三層に分かれている気がしている。

一層=入社から数年以内に退職する。
二層=定年まで退職しない。出世はしないがなぜか辞めない。
三層=定年まで退職しない。経営幹部。

会社の半分以上が、一層によって成り立っている印象だ。十年単位で考えると、ほとんどの人が入れ替わっていると言っていいぐらいのローテーションがある。

しかし、中には辞めない人がいる。どこかフィットしているのか、出世ルートからは外れてしまっているが残る二層。全体の15%くらいか。

そして、三層は全体の、10%くらいかな感覚的だが。どうもこの三層で会社という組織は生きながらえている気がする。

つまり全体の4分の3くらいは外の社会と循環していて、残りの4分の1でビジネスのコア部分をコントロールしていると考えると事実と一致する。

数年前に、希望退職/早期退職ブームみたいなことがあったけど、この二層部分が肥大化したことへの対策だと思った。コアにもなれないが、過去の終身雇用・年功序列型で給与が高かった層が多すぎるを是正したかった。その分、一層を補強して会社全体の人材流動性を高めたかった・・と考える。

社員が全く辞めませんという会社は、一層がおらず、分厚い二層で固められる。三層の数は限られるからだ。皮肉な話、メンバーが変わらず年々発想がどんどん古くなり、不健康になるのではないかと思う。

一見、いい会社とは人が辞めない会社、離職率が低い会社だと思われがちだけど、そんなに単純な話じゃないなという感想である。ということは、「辞めたいな」という刺激も会社の健全な経営にとっては必要悪なのかもしれない。何でもかんでも従業員天国にしてしまった会社の業績がどうなるのか。これはきちんとした資料はないかもしれないが、厳しい未来が待っている気がしてならない。アメリカでは結構緩めに従業員をレイオフしてしまうけど、日本ではそれは無理。この部分の矛盾を考えると、ある程度、穏健な形で自主的に(平凡な)社員が辞めていくムーブメントをいかに会社の中に文化として作るかって、誰も言葉にしたことはないだろうけど、存在する概念なのではと思ってしまう。