orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

IT関連支出はどう考えても抑制的になり、新規システム開発の機会は減るだろう

 

円安怖いなーと書いたのが2022年の1月。もう最近は150円を伺うところまで進んでしまった。

 

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とはいえ一見世界は変わらない。じゃあシステム止めますかとはならない。ITでコントロールする事業領域がどの会社も増えてしまった。クラウドならCPUやメモリーなど、リソースを調整する幅はあるが、それでシステムが不安定になったら元も子もない。安定的に動いているものを変えるのは、ITを詳しくない人でもわかるので基本、当初予定より割高なIT予算を支払い続けている。

今まで作ったものはともかくとして、新しい話が特にできにくくなった。どれもこれもリプレース案件ばかり。

OSやミドルウェアなど、ソフトウェアは古くなるので、定期的に新しい環境に移し替えなければ行けないのはITの宿命である。リプレース費用は払う。仕方がない。多くの企業が1つのシステムに5年間分の予算を覚悟しているので、リプレースは5年周期であることが多い。

そういった仕方のない支出はさておき、新規支出の話を聞かない。新規案件と名前が付くもののでもオンプレミス案件のリプレースだったりする。そこで支出が膨らむために、どうしても新しい話が通りにくくなる。想定予算をリプレースで使い切ってしまっているようだ。

一つ、通りやすい話はAI絡みだが、これはWeb会議などの導入と同じで、導入したことで生産性が目に見えて上がるか、もしくは経費削減にひもづかなければならない。目に見える結果が今後でないとしたら、すぐに投資は引き上げられてしまうだろう。AIさんが人間さんの仕事をとても効率よくし、業績上がったねということに本当になるかは今しばらく結果を見ないとわからない。

 

今後、そういった状況もあり新しい取り組みがどんどん冷え込み、しばらくはリプレースを進めていくフェーズなんだと考えている。個人消費もインフレのため余裕のあるお金が無くなっている模様で、ブランド品などのぜいたく品が売れなくなっているそうだ。EC市場もセールをしてもなかなか結果が出ないという噂も聴いていて、全体的に投資にお金が回らない。その結果、一番お金を削られやすいIT関連支出は、今後しばらく冬の時代を迎えるだろうと身構えている。

その割には余裕でいられるのは、私がインフラエンジニアだからなのだと思う。だって、ここ数年間でたくさんのシステムが世の中で作られ、これらを維持しなきゃいけないのは決定している。一度大金をはたいて作ったシステムはなかなか止められないよ。リプレースもしなきゃいけないということで、運用分野はディフェンシブな業種だと思う。AIが肩代わりする様子も全くない。運用手順書をAIが作ってくれるかというと、そりゃ、無理だね。設計を知らないと対応できない。設計を教え込めばできるか。できるかもしれないけど、それこそ人にやってもらったほうが確実かな、となってしまう。

システム運用って、汎用化しづらいんだ。AIの汎用モデルが幅広いニーズに答えられるから意味があるのであり、小さな現場の小さなシステムに対応できるモデルを作るのはコストがあわない。作ったとしてもアップデートしなければならず、そんな手間をかけるよりもメンバー増やしたほうが速いよね、と。

結局のところコンサルやらコンシェルジュやら、人間がきめ細かいサービスをする分野は価値を持っていきそうなので、ここから新規開発が減っていきそうな、厳しそうなIT業界の中で価値を作って行けるような動きをしていきたい。競うべき相手はAIであり、AIが得意なところを見定めつつ、苦手なところをカバーできる「人間ズ」を構成すればなんだか勝てるような気がしている。