orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

転職したら自動的に収入が増えるわけではない理由

 

転職したら収入増えるのどうなの、という話は以前にもしたことがあった。

 

www.itmedia.co.jp

 転職の回数は、ITエンジニアの年収にどんな影響を与えるのか──ITエンジニアに特化した転職サイト「Forkwell」を運営するGrooves(東京都港区)が5月10日、こんな調査結果を公開した。データによると、エンジニアは転職回数が増えるごとに給与が高くなる傾向があり、転職しない人と比べて生涯年収が1000万円近く変わるという。

 

で、この調査の妥当性自体はおいておき、なんだか転職すれば収入上がるんだと思ってしまう人も増えそうだから説明しておきたい。これはここ最近に学んだことだ。

転職するにあたって、今やっていることと全く同質の内容が、別の会社にも存在ししかもその会社のポストががらんと空いている。こんな条件じゃないとまずは高くなることは存在しにくい。

今の畑とは全く違うことを、ただただ転職して実施したとしたら、それは誰でも役不足である。その場合、給与条件は下がって当たり前、である。

すごく不景気のときは、会社を移らなければいけない人が増え、条件が悪くてもとりあえず就労するケースが増加する。その際は転職イコール年収が下がる、が成立する。

しかし、それなら転職しないよね、ということで今のように景気も良くはないが悪くもないときは転職数そのものが減る。残るのは、本当に条件が一致した、稀有な案件だけだ。その場合は給与は上がる。他社を辞めて自社に来てくれていきなり戦力になるのだから、好条件であるのも当然であろう。

その状況が、記憶をたどると2011年の東日本大震災直後から続いている。その前はリーマンショックがあった。そしてなだらかに経済は安定化していき、今や転職、特に30代以上あたりはなかなか人が動かなくなっているように思う。

この採用活動が難しくなっているのは、決して人間の数が少なくなっているからではないと思う。全体の求人倍率をみると1倍台だ。しかしマッチングしない。だから、採用側と労働者側で、お互いあなたじゃないと言い合っている。

それで、転職回数の多い人が収入が上がるって、それはちゃんとマッチングする領域をきちんと見つけ出した人だから上がるのであって、相当に成功させるのは難易度が上がると思う。また、回数を重ねすぎると、この人はすぐ辞めちゃうんだな、というマイナスの効果もある。重ねればいいというものではない。戦略が大切だ。そして戦略的な人の年収の統計を取れば、それは他の何も動かなかった人よりも上がって当然じゃないか、と思う。

20代の転職がそれでも多いのは、20代は経験がなくともその若さだけで価値があるから、と考える。新しい経験をしてくれればいい。感覚も若い。今の給与水準も低い。だからマッチング条件がゆるいのだ。

最近、30代40代の職務経歴書を見ると思うけど、たくさん書かれていて経験豊かだと感心する反面、求めるスキルとはギャップがあることだ。ギャップがあるから高い年収は提示できない、となるとそこまでして転職なんかしませんよ、と。そういうことである。

ま、このあたりが採用活動に携わって肌感でわかるようになったのは大きな収穫。そんなうまい話はないよね。