orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

キャリアパスに不安をおぼえるIT運用担当者に一言

 

japan.zdnet.com

ガートナージャパンは9月14日、IT運用担当者がキャリアパスに不安を抱えているとする調査結果を発表した。過半数の回答者が自身のキャリアパスに何らかの不安や不満を抱えており、その具体的な理由として「新しい技術に触れる機会がない」(62.5%)、「他のIT部門のメンバーと比べて昇給・昇進が遅い」(59.3%)、「重責であるにもかかわらず、待遇が悪い/評価されない」(57.1%)などが挙がった。

 

はい、IT運用担当者です。

この調査に含まれた不安や不満に対して、コメントを返していきます。

 

新しい技術に触れる機会が少ない

触れるだけなら自分で機会は作れるだろうに。

昔なら、何百万円もする豪華な構成じゃないと動かなかったのが、クラウドで簡単に動くようになっている。

とはいえお金はかかるので、期間限定だったら会社の経費で落としてもいいとは思うけど、どんなことが目的で利用するのかははっきりさせないといけない。ただただ漫然とリソースを使い続ける、じゃ理由が通らないだろう。

・・という建付けにしたとき、計画を持ってくる人など皆無だ。新しい技術って、結構使われないまま廃れていくケースも多い。

興味があるなら、プライベートでも十分トライもできると思う。私もプライベートの時間で遊びがてら触っているけれど。

 

他のIT部門のメンバーと比べて昇進が遅い

企業によって立ち位置は違うと思うが、運用の仕事って結構ビジネス的には旨味があると思っている。毎月固定費用を頂けるので年間で合計すると結構なお金が動く。そのビジネスを支える人がいなくなったら困るので、それなりの待遇は設定したいと思う。

私は、運用と構築は一対だと思っているので、運用に慣れたら構築もやってほしい。両方知らないと、仕事の全体感が把握できないと思う。

もし昇進が遅いと思うのなら、違う役割をどんどん希望して、できる領域を広げていって欲しい。毎日同じ仕事ばかりと思うなら、率直に上司に不安を共有すればたいてい動いてくれるよ。

 

重責なのに待遇が悪い

この、重責、っていうのって主観であることが多くて。

技術的な仕事に対するお金の流れ(売上や利益)原価構造を知り、そこから自分の待遇が設定されているという事実がまずある。

この全体感を技術者が知ることはあまりなくて、どうにも技術者に重責であることを経営が吹き込んで責任感をドライブさせる感じの雰囲気が強いように思う。

もし、いや、報酬以上のことをやっているという思いがあるなら、もし本当ならば必ず後々評価されよう。その能力を営業が適正な値段で売り、待遇も上がるはずである。

その価値を現金化できない会社にいると思うなら、それはその場所が間違っているのかもしれない。ちゃんとシステムを守れる人材はいつでも不足しているので、広い視野で社会を捉えて欲しい。別に運用は安い、のではない。

 

専門性が身につかない

いやいやいや、システム運用の専門性はあるよ。

身につかないと思うなら、専門性を知らないだけだ。世の中全てがITILの通りに動くとは思っていないけど、何個かの運用の現場を見ていけば、運用の専門性はわかるはず。私は身についたけれども。

 

オンコールのシフトや残業が多く、永年勤続ができない

それだけ呼び出しや時間外業務が多いということは、システムの品質が悪いということだね。ということは構築時に何か埋め込まれていたということになる。今どき、サービスインまでに運用時のリスクは消しておくものじゃないかなぁ・・。

日中のうちに、オンコールやシフト、残業が起こらないように努力をしておきたいものだね。

 

経営陣がIT運用と担当部門を軽視している

軽視しているならアウトソースすればいいのにね。

社員にやらせるにはもったいない、と考えるのなら。

一度提案してみたらどうだろう。

 

CIO/上長がキャリアパスを考えていない

キャリアパスを考えるのは大事な管理職の仕事だから、もしかしたら運用がどうこうじゃなくて、企業統治として不健全なのかもね。社員が退職してもいいと思っているとしか思えない。

 

***

 

ということで、私はIT運用の仕事、気に入っているしいい仕事だと思っているのでちょっと受け入れられないというニュアンスを込めて回答してみた。

システム運用の仕事は専門性もあるし、市場価値も高いし、かといって人気もないので結構居心地がいいのだけど、それは、正しい立ち回り方を知っているからなのかもしれない。全般的に誤解が多いな、とは思った。