orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

IT分野における研究活動の必要性

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IT分野においては進化が激しいので、あまり研究の分野が注目されることはないように思う。最近は無料でも使える技術も散見されるので、個人ががんばって環境構築し技術を身につける、のような分野ももちろんあると思う。

あると思う・・が、やっぱり有料のプロダクトがやっぱり強いと思っている。特にインフラ基盤についてはその上に重要なアプリケーションやシステムが乗ることが多く、この下に無料のものを組み合わせてなんとか動いたとして「安いよね」ってお目々キラキラで言われても、本当に安定して動くんですか、という話になってしまう。

一時期保守費用を下げることでITの全体費用を下げる動きがあったが、実際にやったユーザーは今でも元気だろうか。結局保守の品質を下げると、それを運用でカバーしなければいけないという現実にぶち当たっているのではないか。構築を安く済ませるために安い製品を使ってみたら、案の定本番運用に入っていろいろな問題に直面し、それらをなんとか修正しながら使っているけれども、こんなことなら有償のソフトウェアを使っとけば良かったと後悔している人も多いだろう。

それらは技術的負債とも呼ばれることもある。良くない技術を採用してしまったばっかりに、時間軸においてそれらをカバーしなければいけなくなるコストが増え、運用でカバー現象が起こるのである。お金はないけど人はいるよね、ってお金にならない仕事を一生懸命やって、それで評価もされないみたいな現実を見たことがある。

そうならないために、やはり研究活動は絶対に必要だと最近思っている。こんなことがやりたい、という瞬間は突然やってくる。実はそのときに研究なりPOCなり言っていたらタイミングは遅い。激遅である。そうこうしているうちに熱は冷めるのである。「うちでは、それもうやったことがありますよ。安定して動きましたよ」とか「それやめたほうがいいですよ。やってみましたが構築も大変で、その後の運用も大変ですよ」とか、瞬間的に言えてこそなのだ。

ところが、この業界、ネットメディアのホワイトペーパーやら、ベンダーのオンラインイベントなどで、大体的に「このソフトウェアはこんなニーズを簡単に叶えられるようになりましたよ!」みたいなうまい話で売り込み、なんと設計フェーズで研究や検証もそこそこに採用してしまう。むしろSIerがそのソフトウェアを売りたい、みたいな下心もあって技術採用してしまう。

また、SIerなど、技術を持っている人が中途採用された先で、「私は昔やってましたから」ってことだけで利用してしまうということもある。だからこの業界は人の入れ替わりが大きいのかもしれないなと思うが、研究をすっ飛ばすキーとして「経験」が使われることも多い。

あまり資金がない会社だと、この研究活動を軽視して、いきなり設計して構築してしまうのだ。ビジネスを始めないとキャッシュが入ってこないのでしようがないのかもしれないけれど、ビジネスは中長期で考えなければいけない。技術的負債をもりもりと詰め込んでビジネスを急にスタートして、そして仮に当たったときに障害続発、なんてパターン、よく聞く。

大企業が大企業たる所以として、この研究活動に一定のお金を使っているというのがある。売る前にきちんと研究している。できるとわかっている。だから負債を作らない。しかもこの研究、一定のお金がどうしてもかかるのだ。個人では絶対できない費用。それを用意できるかがポイントだと思うが理解されない会社は多い。「個人で勉強しなさい」って口酸っぱく言う経営層。でも研究にはお金を出さない。そして「うちの会社は技術力が低い。勉強する姿勢がない。」と断じる。なぜなのか。

ここ最近、研究活動方面に自分の進路が向きそうなので、この必要性について言語化してみた。金がかかるが、金をかけないと、運任せの技術選択になり大変な目に現場が合うことになる可能性が高くなるのは間違いない。