クラウド基盤を決めるとき、こんな決め方してませんか?
社長がAWSにしとけばいいって言ってるから
一番よく使われてるんだろ、そこにしとけば間違いないよ。
うちもデータセンターのオンプレしか使ってないから、世の中に遅れるんだよ。
世間はDXなんだよ。黙って移行しろ。
クラウド利用のシェアを見て決めた
日本では、ほう、AWSがトップでAzureが猛追ね。富士通もがんばってはいるんだな。Googleがその次・・。じゃあこの中から決めようか。
Amazonが嫌いだからAzure
うちは小売業だからな。
AWS使うなんて、敵に塩を送るもんだよ。だからAzureにしなさい。
え、ほかにもクラウドがある?。
私は知らないし、Microsoftにしておけば問題ないでしょ。
***
ってか大昔はさ、5社くらいデータセンターをコンペしてさ、100くらいある質問表を全部埋めさせて、貴社はこれができないんですね、これはどうですか、って詳しくやってたじゃん。
もう何度も聞かれるから、質問票をあらかじめそろえたり、弱いところを補うために別のデータセンターを用意したり、いろいろ、企業の基盤に対して弱点とならないようにいろいろ努力したものなんだけど。
今や、こんなノリでインフラ基盤決めちゃうんだな、と。
機能面はいわゆるメガクラウドと呼ばれる基盤には、地場のデータセンターはかなわないけど、地面があって建物があって、電力があって回線があって、ってそこから吟味して言った経験は、今となっては宝物だなと思う。
今でも、メガクラウドとそういった地場のデータセンターを接続するというニーズはかなりある。全部が全部、クラウドに持っていくのはいろいろ危険ってのはそりゃそうよね。支店を専用回線で接続しているような会社だと、クラウドではそういう構成は取りづらい。本部となっているデータセンターとメガクラウドをどうにかしてつなぐというのはよく聞く構成だ。
ただ、コンピューティングリソースは、明らかにオンプレからクラウドの方に向かっているのは確か。オンプレに置くのは厳選したデータになっている。
で、やっぱりクラウドの案件が多いんだけど、どうにもノリで決まっているような気がして、過去を考えると寂しさも覚える。
あの、基盤を選ぶときの、ユーザーの真剣なまなざしは本物だったんだけど、な。
あなたがそう言っているんだったら信じる、みたいなことも言われたことがあるよ、昔。
インフラエンジニアも、地盤や電力、熱問題、交通など、IT以外の部分についても詳しくなる必要もあり、過去はその知識も役に立ったけれど、今や、ノリと知名度がものをいう時代になっちゃったな。
クラウドも、もっとさ、百くらいの質問票作ってさ、一個一個比較検討しながら・・って誰もやんないか。認証取ってまーす、あの会社も使ってまーす、で終わる時代だもんね。もっと細部を、ユーザーも買う前にちゃんと見て欲しいものだけれど。