orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

倫理観 技術よりもコミュニケーション能力よりも大事なこと

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技術力やコミュニケーション能力って、IT業界にいるととても重要視される能力で、これだけあれば生きていけるんじゃないかと思われがちです。ツイッターを見ていても、勉強した、資格取った、等々のツイートが乱れ飛んでいて、武器としては技術力なんだと喧伝されがちですが、盲点があります。

倫理観の問題です。

 

 

仕事には目的がつきものですが、目的に達するためには手段を選ばない人がいます。手順書もなく、検証もせず、ルール通りにも実施せず。それでたいていは目的を達成してしまうので、現場によっては、彼のやることだからとほっとかれるケースは存在します。放置しているとある日、大事故が発生・・、報告書には、どれだけルールを守っていなかったが書かれ、ガバナンスの不在・・みたいなオチにされるのがよくあるパターンです。そこまでの事態に発展して初めて追い出されるのだが、もうこうなると、マネージャーの責任問題から、なぜメンバーはエスカレーションしなかったか、まで大いに嵐が吹き荒れることになります。

なまじ、本人は技術力があるため仕事ができてしまうもので、結果だけ見ていたマネージャーは見過ごしがちです。メンバーも技術力のある人には口出しできない。その結果、本人は「見つからないための技術力」まで発揮してしまい、じわじわと現場のロジックが崩されていきます。

ただ、倫理観の高さなど試験も資格もないので、大きく見過ごされがちで、本人は仕事ができると盲信しがちです。個人的な思いとしては、どんなに技術力が尖っていても、倫理観のない人との仕事だけは避けたい。それより技術力はそこそこでもいいので、倫理観の高い人と仕事をしたいです。技術力はフォローできるのですが、倫理観はフォローできませんから・・ね。

コミュニケーション能力高め、倫理観低め、という人はどうでしょうか。このケースでやっかいなのが、採用面接を突破しがちなことです。人当たりもよく、何が相手に好まれるかも理解している。実際コミュニケーション能力の高い人は現場でも重宝されがちなので、見つけたときには小躍りします。

さて、実際に現場についた後、いろいろ問題を起こします。遅刻、約束した仕事の放棄、手順を守らない、等々。無断欠勤や反抗的な態度など、いろんな問題行動で現場の問題児にまでなってしまいますが、なぜ現場に入ってくるのか。これはコミュニケーション能力で「できる人」を演じてしまうからです。しかし倫理観がなければ、問題行動の弁解にエネルギーを使ってきます。

こういう人に、マネージャーは大変パワーを使います。なぜかと言うと、期待しているからです。このコミュニケーション能力で、仕事にフィットしてしまえば、絶対に戦力になってくれる・・と。特に学歴がくっついてくるともっとバイアスがかかります。マネージャーは何度も面接を行い、そのたびに、彼は心を入れ替えた。わかってくれた、と思います。これはコミュニケーション能力の高さがなせる技です。しかし、本人はその場をやり過ごすためにはどんな手でも使います。優等生を演じることができます。しかし、倫理観がぶっこわれているので、面接が終わったら言ったことすら忘れています。現場から「勘弁してください、なんであんなヤツをいつまでもかばっているんですか」と刺されてゲームオーバーとなります。

 

倫理観の話って、口に出すのがタブーであることも多く、「育ちが悪い」「しつけが悪い」「どんな生き方をしたらこうなるのか」なんて言うとパワハラに近づいていきます。だからこそ、倫理観のない人を見抜く力を持ち、近づいてきたときにはねのける知恵が必要だと思っています。なかなか難しいですが、自分自身が生き残るには必要なことです。