orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

アウトソーシング or 内製、どちらを選択するべきか

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ある事業会社の情報システム部門のトップの方と会議したことがあった。用件としては私(弊社)が謝りに行くという要件であり、怒られるだろうと思っていたら、その話は5分くらいで、その後全然関係ない技術要件の情報交換で30分ほど会話し拍子抜けした覚えがある。

その方は超大手のSIer出身で業界でも有名だったので、こちらの報告の内容が全て文書上で理解できたのでそれ以上の質問事項もなく、それよりインフラの技術者と会話するのに興味があったようでいろいろ仕事のことを聞かれた記憶だ。

そもそも怒られる予定だったので大きく拍子抜けしたのであるが、残念ながらその事業会社との仕事はそこから間もなく終了してしまった。当時はクラウドが流行した直後くらいで感度の高いトップの方が内製に舵を切る際にクラウドを採用した。こちらは切られた側になるが、まあ判断としては正しい。

やっていることは外からSIerのエースを引き抜き、事業会社でDXを成し遂げる、みたいな走りだったと思う。

その後だが、その方は退職し他のベンダーに行ってしまった。転職してCTOやCIOになったり、社長になっているらしい。とにかくお元気そうだ。

さて、残された事業会社だが、まあいろいろ大変らしい。それは詳しくは書かない。

ただ、強烈なリーダーシップで内製が行われたとき、そのリーダーシップが失われた後は非常に大変だと思う。思想を立ち上げそれによって作られたシステムがたくさん動いているのに、その責任者がいなくなるのである。

もしベンダーにお願いしていたシステムなら、ベンダーの担当者が退職しようが変わろうが、ベンダーさんよろしくねの世界である。

ベンダーも、人が入れ替わることを前提に情報共有を進めている。また属人化しないようにたまに担当を変えたりして、対応している。

内製の中でそこまで対策ができていればいいが、問題は技術トップ自体が不在になったとき、その思想を受け継ぎ実行できる人材が育っているかどうか。その責任はトップ自体に委ねられているケースも多いので、なかなか現場は渋いことになったんじゃないかと推察している。

一方で、ある事業会社では、「弊社は全てのITをアウトソーシングしたい」と言い切っていた。要件だけは出すので、それ以外の部分、アプリケーション開発からインフラまで、何からお願いしたいという会社だった。その会社の技術トップの方も結構厳しいことを言う方だったのだが、数年後に転職してしまわれた。その方の場合はリーダーというよりは、ボス、という感じだったので、ベンダーコントロールに専念されているように見えた。多分、ボスが変わっても大丈夫だろう、という感想ではある。

「リーダー型で全部内製するぞ」「ボス型で全部アウトソーシングするぞ」極端な2つのパターンをどちらも見たことがあると言うのは財産だ。そして、どちらがいい、どちらが悪いというのは言いづらい。そして両方にリスクがある。少なくとも、トップ自体が突然変わるというのは両方にある。

内製型の場合は、運用がボロボロになる可能性があるということ。そして競争がないので改善するモチベーションが減衰した場合に、時代遅れのシステムになってしまう恐れがある。

アウトソーシング型の場合は、ベンダーと結びつきの強かったボスがいなくなると、ベンダー任せになってしまい、コントロールを失う可能性がある。これはお役所ではこういう傾向にあるというのを聞いたことがある。

後者の方が、まだ引き継ぎやすいという良さがあるとは思っている。人はいずれいなくなる。内製については、特に属人化が大きなリスクとなってくるのは間違いない。

正しいやり方は一つではないし、答えも時代により変わる。極端な戦略を用いず、いろんなリスクに対応できる情報システム部門を構えるべきであると強く思う。