切り離したり くっついたり 漂流するシステム子会社

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大昔の話。2001年の日経xTechに残っているアーカイブ記事だ。

 

xtech.nikkei.com

 大手ユーザー企業がシステムを作るための情報システム子会社や,さらには情報システム部門を持て余し始めている。

 史上最悪とされる経済不況のなかで生き残りを賭けるユーザー企業が本業回帰の速度を加速し,「我が社にとっての本業は何か」「そのために必要な資産は何か」を問い直した結果,情報システムの開発・運用を委ねてきた情報システム子会社をもはや抱え続ける必要はないとの判断に傾いている。ユーザー企業にすれば「ITの専門家は(ユーザー企業にとっての)利益を生み出すもとにはならない」からだ。

 最近も,アサヒビールや石川島播磨重工業(IHI),ブラザー工業,ダイエー,日本航空(JAL)などが,それぞれの情報システム子会社とシステム・プロバイダの資本提携を発表した。ブラザーやJALの場合,情報システムのアウトソーシング契約を伴う形だが,ブラザーは株式の100%,ダイエーは65%,JALも51%以上をアウトソーシング先に売却する。システム・プロバイダの持つ人材・給与体系を持ち込むことで,ITの専門家(ITプロフェッショナル)としての意識改革に期待する。

 情報システム子会社が売却対象になり始めた最大の要因は,ユーザー企業の本業が進展する速度と,IT(情報技術)サービス業界のそれが余りにもかけ離れてしまったからだ。

 

この文に目を通した後、今月、同じく日経xTechから出た記事を読んで頂きたい。

 

xtech.nikkei.com

親が子(システム子会社)を吸収する動きは今後も加速すると記者はみている。IT・デジタル戦略が企業の成長戦略に欠かせないものとなった今、社内でスピーディーな開発サイクルを回すためには手を動かせる(開発できる)IT人材が不可欠だからだ。

 子会社を吸収すれば人件費がそのままコストとして固定されるため、本体の経営へのインパクトは小さくない。経営者は大胆な決断が必要となるだろう。ただ今やITをまったく使わないビジネスなどもはや存在しないと言っても過言ではなく、今後も冒頭の3社と同様の動きが活発化するのはほぼ確実だ。多くのユーザー企業が自ら汗をかいて「内製」することの重要さに気付き、開発力を身に付ける方向に進むことを期待したい。向こう数年の動きに注目だ。

 

いいだろうか。これが日本の20年間の失敗である。

システムを、ITを、デジタルを甘く見過ぎた。本業を大上段に置き、ITをまるで事務用品のように扱ってしまった。

おかげで、デジタル戦略は大きく海外から出遅れてしまった。

でも、システム子会社を親会社に吸収したところで、結果を出せるかな。IT部門にどれだけイニシアティブを渡せるのかな。事業部門のプライドがいつまでも高く、デジタル化の足を引っ張るのは、もはや事業部門なのではないかな。

20年かけて、この結果は重い。

たくさんの会社が未来を読めていなかった。そして子会社にIT人材を閉じ込めてしまった罪は重い。

吸収すればいいんじゃない。ITを事業の中心に取り込めるのかどうか。内製が全てじゃない。外部ベンダーも巻き込んでデジタル化ができないようでは、いずれ人手不足に陥ったり、ひとりよがりの技術を採用して技術的負債を作り出してしまうのは目に見えている。

業界に25年いる私にとっては、正直、この20年何やってたんだよという思いしかないが、それでも正常化がやっと始まって良い傾向だと思う。

ただし、繰り返すが、ここからが重要だ。

AWSがクラウドジャーニーという言葉をよく使うが、企業のシステムジャーニーは、もっと昔から始まっていて、そしてまだ継続しているのだ。