なんだか、出世したくないムーブメントを流行らせようとしているんですかね。
似たような記事を同時に二本見かけました。
バブルの時代「24時間戦えますか?」というフレーズがはやったけれど、今の時代は仕事だけでなく、私生活も大切なワークライフバランス重視。「残業代が出ない管理職になったら生活していけない」という切実な声も。
ビズヒッツは、「管理職になりたくない理由」についての調査結果を発表した。「管理職になりたくない」と感じている男女500人に対し、アンケート調査を実施している。
年収を上げて欲しいという声が高い一方で、出世はしたくない、と。
楽してお金が欲しいという結論に向かっているような気がしますが、やっぱりお金を稼ぐというのは責任を負うということですよね。
管理職になりたくない、出世したくない、という声の理由を拾って、感想を答えてみましょうか。
「出世欲がない」
これ、なぜ出世欲がないのか、というところまで掘らないとわけがわからないですね。わからないのでコメントのしようもありません。そのぶん待遇も上がらないのですがそれでもいいということでしょうかね。定年まで長い長い先があるけどそれでいいのかな。
「責任が伴う」
そりゃ、責任が伴わない管理職はないので、結果、出世はないでしょうね。
何度も言ってますが責任あってこその待遇。責任は要らないです、の解像度を上げると「誰でもできる交換可能性の高い仕事」になると思います。それを望むというのは逆にリスクだと思いますけれども。
「仕事量が増えるから」
出世すると仕事が増えるという認識。実は逆で、自分の仕事量を減らし部下に上手に配ることで、組織がまわるようにするのが目標ですね。もし目の前の管理職が仕事が増えているとしたら、それは反面教師にすべきであり出世しない理由にしちゃ、損ですね。
あなたがうまくやればいい、と思いますが。
「待遇はたいして変わらないのに責任だけ増える」
高度なワーカーのほうが、レベル1の管理職より給与が上の現象ってどこでもあるんです。ただ、高度なワーカーの上限は限られてますよ。管理職はレベルを上げれば基本的にはワーカーの上に行きますから、ジョブチェンジしないってもったいないと思います。管理職ルーキーのときに待遇が下がるのは、それは経験が伴っていないからってだけですね。実績を積めば、待遇が上がります。
「月々の残業が80時間超えるのは生活だけでなく、体もボロボロになる。体調を崩している上司も多い」
そういう会社だから・・としか。
マネジメントの規範となる人がいない中で、マネジメントをやるのは確かにリスクがあります。ただ、もし万が一うまくいったら、スピード出世の道です。
「部下の指導や育成」に苦労したくない
仕事やからねえ・・。できるようになったら、将来も安泰だと思いますが。
「部下とのコミュニケーション」・「上司と部下との板挟み」
役割と思ったら、案外、そんな大変でもないです。それこそ、熱意を持って、従わせる細かいマネジメントをしようものなら、反発喰らいまくりでしょうが。これがマイクロマネジメントが今、本当にまずいと言われている理由です。
ただただ、誠実に仕事をこなし、人との礼儀を守ること。後はなるようにしかならないですね、仕事って。管理職に限った話じゃない。それって、部下のままであっても同じ心境じゃないかなぁ。出世しない理由にはならないと思うけど。
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40代超えてから思うことに、それまでにやってきたこと、一つ一つが武器となり血となり肉となっているので、ぜひいろいろ体験したほうがいいんじゃないかなぁということです。それで、もし合わない、無理だ、となったら軌道修正すればいいだけで。やる前から避けていたら、どこかで、手持ちの武器で戦わなければいけなくなったときに、あまりの選択肢のなさに困り果てるんじゃないかなと思います。
うまく、出世への道を開かせてあげない会社の方も改善方法はあると思いますが、最近出世へのネガティブキャンペーンを多く見かけて、それはそれで違うんじゃないかな、と思う次第です。