生産性の名のもとに品質を犠牲にするよろしくない話

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きっつい話だなーと。

 

 

そりゃあ効率よくやることは、仕事をやる上で重要なんですけど。

介護の現場で今まで介護士一人にあたり三人までという規制があったのは今回初めて知ったんですが、それって、四人以上だと明らかに手が回らなくなるか、介護士に多大な負担がかかるからという意味ですよね。

で、ITを導入すれば四人になっても大丈夫かもしれないよ!、ということですが、そりゃ大丈夫な現場もあるかもしれないですが、そのサービスって介護士が理想とする品質にどれくらい影響があるんでしょうか。

外部認証などで品質の確認をしたり、計画書を出させて無理がないかを十分に検証するとのことですが、そんなん、すり抜け業者が出るに決まってるじゃないですか。

法的な規制って、面倒くさい割には、何か効果はあるんですかね。消防関係でも計画書を出させるのが義務化していますが実際計画書通り防火・防災対策が動いている不動産なんてどれくらいあるのか。

あれって、形だけ繕えば行政は責任を果たしているというアリバイであって、本質を考えると規制しようがないでしょうと。一人で四人を快適に介護できてる、って誰がその快適を決めるのか。

普通に考えて、よりよいサービスを行おうとするとどうしても人手がかかります。これを日本の考え方では「おもてなしの心」と呼んでいました。考え方が真逆で、人手はどんどんかけてもいい。それにより価値が高まるので、売上が増えていき、結果として生産性が増えるという考え方です。

日本は「おもてなし」でオリンピックを獲得したのに、蓋を開いてみたらドローンやらITでの効率化やらで、できるだけ無人で生産性高くやる方向に舵を切ってしまったので、実際サービスを受けてみると肩透かしなのです。人手を削減したら見た目の生産性は確かに上がります。しかし、そのサービス自体の価値が下がってしまえば、安かろう悪かろうの世界。結局生産性って上がらないんです。

お上は、介護士一人あたり三人を四人にしても、ITやDXによって効率化できれば、サービス品質は下がらないし、介護士の負担も上がらないと言っているのと同じですよね。

この発想って、「人手をかけずおもてなせ」と言っているのと同じで、最終的にはおもてなさない方向に全速力で突っ走っています。

そりゃ、三人の介護施設と、四人の介護施設、2つあったら三人の方を選ぶでしょ?。

いや四人でも大丈夫、デジタル技術が充実してますから!、言うてもですね。

こりゃ、何かのメカが自分にやってきて、サービスすることになるんでしょうが、「しっつれいな!」ってなりそうな衝動を感じる自信があります。

もしこうやって、要介護者に対する介護士の人数の割合を減らし、それで介護士の給与を上げていくという図式をまともに思う人が増えたら、んじゃあ、保育士も一人で100人くらいの子供を見せようぜ。学校の教師も。警察も。公務員も。みたいな議論になっていって、どうなっちゃうんですかね、この国の、おもてなしの心は。

家計資産が2000兆円もあるっていうんですから、ぜひ、サービス価値の高い介護サービスで差別化し、高くても品質が高い。そこに集まる介護士は高級介護士で給与も待遇も高い。そんなふうにして介護に競争原理を取り入れ、おもてなしの心があると儲かるような市場形成のほうがよっぽど健康的なんじゃないかと思いますけどいかがでしょうか。

なんだか、この国、人のためにあるのだか、金のためにあるのだか、わけわかんなくなってきましたね。きつい話。