orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

楽して儲けようの悲劇

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ある意味、もう日本は中国に完全に追い抜かれたと言っていいんだろうと思う。

 

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 中国製といえば、かつては「安かろう悪かろう」のイメージだった。いまは性能や品質が向上し、ITや電気自動車(EV)などの成長分野に浸透する。中国に負けじと日本政府も国内メーカーの支援に乗り出すが、「メイド・イン・ジャパン」の復活は簡単ではない。

 

そもそも日本って、歴史を紐解くと、日本から船を渡って先進的な技術を教えてもらいに行く場所だったので。日本が先にいたという感覚は高度成長期に身についた、ここ最近のバイアスなんだろうと思う。

中国の人々は、まだ発展途上国の一部だった時代にも諸外国に根を張って他国の文化への習得に熱心だった。また外国資本を自国に呼び込むとともに、必ず自国資本を半分以上入れて主体性を失わないような形で、自国内にいても他国の知識を学べるような環境作りを整えていった。ここ二十年くらいの努力が実った結果が今なのであり、今更アメリカが脅威だと言って切り離そうとしても、当の中国自身に自活できる能力ができてしまった。むしろ研究開発能力を伸ばしていけば世界すらリードすることも非現実的な話でもなくなっている。

日本は、中国の発展を曖昧な形でサポートし、結構な経済的な結びつきがある。そしてここまで成長すると日本はもはや脇役である。再度主役になるつもりがあるのか、日本。私の感想とすれば、日本にはもはや主役を勝ち取る気概は失われている。

具体的には、仕事をすることについて日本人は、何しろ楽をしようと躍起だ。いかにコストをかけずにお金を技術的に得る方法ばかりを追求している。働き方改革の結果、残業代だけが失われ、その結果企業は利益が増え社員は残業代だけが減ってしまった。これで仕事への時間が減ったでしょう(給料も減ったけど)。じゃあ、ワークライフバランスが向上し、QoL(生活の品質)は上がったよね!。で、経済は強くなったのでしょうかというと、惨憺たる状況にあると思う。

結局は仕事をあんまりしなくなり、そして給料も減るという悪循環。企業はそして儲かる。これじゃあ、楽して儲けようを地で行っているとしか言いようがない。

企業はモノを売るために、商品開発研究ではなく、マーケティングに力を入れ、とにかく売れるためにお金を使う。人材の分野でも、自社員に投資するのではなく転職サポートの会社にお金を払い外から入手しようとする。

お金でお金を買うようなことばかりを日本企業は夢中になり、そもそもの、一番手間のかかる商品開発や従業員教育を軽視。その結果、外国企業の発注を受注し下請け的に仕事をするビジネスが今や日本では中心となってしまったように思う。

私自身は日本の高度成長の時代は知らないが、資料映像を見ていると、彼らは仕事中毒だった。エコノミックアニマルと呼ばれたその働きっぷりは、世界から揶揄されながらもバブル崩壊まで突き進んだことが伝説となっている。そこからピークアウトして、おそらく日本人は、仕事というスタイルに絶望してしまっているのではないかとすら思われる。

ま、でも、根本は、楽したら儲からないと思う。

単純に長時間労働うんぬんではなく、やっぱり苦労しないとお金とは仲良くなれないというのが感想だ。もし楽しても大丈夫と思うのなら、かならず何か油断がある。今苦労している人が容赦なく奪いに来るだろう。それぐらいお金にしろ仕事にしろ、甘くない世界だ。

中国は脅威だ脅威だというメディアのバイアスに飲まれないで、一度中国人がどれぐらいビジネスに対して一生懸命で、苦労を厭わず仕事をしているかどうか、再度日本人は見習う必要があると思っている。それは、アメリカ人に対しても同じ感想だけれども。日本人、楽して儲けよう、が強すぎるんじゃないか。