orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

機能の数を争う時代はもう終わったのだと思う

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IT業界に長年おりますと、新機能が毎年毎年山のように発表され、しかも最近はジョブズがやっていたようなプレゼンをみんなやるようになってしまったので、何がすごいんだかとてもわかりにくくなりました。

プレゼン技術ばっかり上がって、肝心の新機能、どれだけ時代とともに捨てられていったのか。後ろを見ると悲惨な状況となっているわけであります。

 

 

ってことですね。

業界に入った1990年代後半というのはインターネットがこの世に出たばかりで、そのころはIBMがイービジネス、という言葉を世に出し、現代を基礎となっているWEB技術が次々を発表されたわけです。そのころの勉強は楽しかったです。なぜならば、勉強したことが十中八九仕事に還元されるからです。絶対に役に立つ勉強って楽しいものです。一方で、本当に使うかわからないことを勉強するのってかったるくてモチベーションが上がらないですよね。

今の業界ってそういう性質がすごく強くなっていると思います。新機能と思いきや、既存のAとBとCを組み合わせただけの話だった、みたいなことに遭遇します。しかも、やけにプレゼンであったりマーケティングの性能ばかりが上がっているので、あたかも画期的・革命的に映る。

そりゃ、Nitendo Switchだって、ソフトウェア群を見ると全部WiiUの焼き直しばかりでWiiUを所有してソフトウェアをたくさん買ってた私からすると、「また焼き直しかよ」と思うのですが、WiiUを保有していなかったホワイトスペースが大量にあったので有効に働いた、ということですよね。

ただそれを、延々とやられるとさすがにネタ切れになるわけです。過去資産の有効活用はいつまでもできない。しかし、その成功体験が染み付いてしまった組織は、新しいものを生み出す振りをしながら、お化粧直しに終始するようになってしまうので本当に注意が必要です。

 

 

皮肉なのが、今たくさんの企業が真似しているジョブズ的なプレゼンを一番早く捨てたのがアップル自身であるということです。毎回iPhoneやiOSの新製品発表の際に、極めて重大な発表をするんじゃないかと人々が待ち構えるものの、堅実な改善が多くがっかりだ、という声をいつも聞きました。でも結局、人々は今もiPhoneを好んでいるし、iPhoneの次はiPhoneと考える人は多い。私のように一度Androidに行ってまた戻った人も多い。何が理由なのかを自分の中で明確にできればまたAndroidに行くことはあるのかもしれませんが。

 

 

そう、今の製品は「使い続け、定期的に課金していく」というサブスクリプションモデルが主体なので、普段使いする機能が磨かれていくことのほうがユーザーにとってはよっぽど大事なのです。機能をどんどん追加してメニューが多層構造になり、どんどん感覚的に使えなくなるという様子は、過去ガラケーや日本の家電製品に見られた現象でした。それがあろうことかIT業界でも見られるようになっていることは特筆に値すると思います。

 

つまり、

 

 

ということです。