orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

IT業界の「数学やったほうがいい圧」はどこからきているのか

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今、IT業界で技術者を名乗るなら、数学できるべき説が流行しているらしいですね。

 

 

じゃあ私もダメだなぁ、とは思いつつ食べてはいけるので、数学は必須ということでは決してないとは思います。

ただ、IT業界が使いこなしているハードウェアやソフトウェア、数学が基本になっているよねということの裏返しのように思います。数学を基本にしたたくさんのライブラリを組み合わせてソフトウェア開発の現場があります。ハードウェアも数学的なロジックを自動化した結果、高性能なものを量産できるようになっています。

現在はほぼほぼ現存のライブラリで作ることができるものはネタが尽きていて、アイデア勝負も限界に近付いてきたということだろうと推察しています。

しかも、クラウドの普及で、ハードウェアが古くなるから、というだけでシステム全体を作り直すには理由不足となりました。入れ替えるなら新しい理由が必要である。そこでDXという理論を組み上げ、世界で盛り上げているわけですが、これを行うためのフックとなっているのが、AIや機械学習、データサイエンスなどの、高度な数学活用です。

将来は、高度な数学理論すら、パッケージ化されて素人でも利用できるようになるのは間違いないのですがまだそうはなっていません。ライブラリも数学を知らないと使うのに一苦労する。また、なぜその出力になるのか説明ができません。説明ができないまま現存のアウトプットをそのまま使うのは信頼ができません。

したがって、現時点では、数学を知る人がこういった新しい技術を使うことが推奨されていて、数学を知っていることが開発現場でのアドバンテージにつながっているのではないかな、と思います。

もっと先の未来を考えると、数学を知らなくても使えるようになるはずです。IT業界は実際そうやって進化してきました。新しい技術の始まりは、いつだって「便利だけど使いこなすのが難しい」から始まりました。で、その難しさをアカデミックに吸収し乗り越えた先に、それを簡単に誰でも使えるようにするというミッションが発生します。それを成し遂げたベンダーが、市場を席捲していきます。

Linuxが初めに出て来たときだって、普通にOSを起動するだけで、大変な思いをしました。ところが今や、Linuxをインストールするのも数クリックでできるし、もしくはコンテナを使えば、いきなりコマンドが叩ける。仮にそこまで簡単にならなかったら、市場そのものがガッカリしてしぼんでしまいます。高度な技術を身に着けた人しか使えない技術は広まらないからです。

高度な数学を理解した人が、それをぶんまわしてアウトプットできる時間は有限で、今や「誰でも使える技術」を各社が争っています。だから今は数学ができる人はモテモテでしょう。一方で、その結果「昔は高度だったが誰でも使えるようになった技術」をアンテナを立てて、敏感にキャッチする方のシステムエンジニアは私です。プログラマーや開発者ではないIT業界人ですから推して知るべし。便利なもの大好き。使えるものならすぐに使ってみたい。そんな生き方もありこの業界で生き残ってきました。

今、数学は確かに熱い。で、数学自体はとても取っつきにくいイメージもあるので、ぜひ数学を学ぶのが楽しい方は、入門し参加して頂きたい。そうではない方は、私のように彼らのアウトプットを楽しんでいく。そうやって業界はまた、進化し続けると思うのです。