orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

このパターンで失敗する会社は非常に多い。

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朝方ツイートした件について深掘りします。

 

 

ちなみに最近ツイッターに力を入れているので、フォローいただければ幸いです。

 

私はある部門のプレイングマネージャーですが、自分の部門の数字だけではなく他の部門も勉強のために同行を観察しています。1つの会社にいながらたくさんの会社がいるようなもので、組織の数だけ組織戦略があり、成功したり失敗したりしています。しかも単発の結果だけではなく、長期的、それこそ5年くらいの動向を見ると戦略の大事さを痛感するわけです。

たまたま自部門が成功していたとしても、それが再現性がなければ、単に会社にぶら下がっているだけです。どんな組織に属したとしても、もしマネージャーを任命されたときに等しく成功に導かなければ、運が良かっただけと言われても仕方がありません。

特定の部署が単月で儲かったときに、いいなあ、と思うのは誰しも同じですが実はそんなに気にすることはなかったりします。むしろ、売上、利益、原価、経費の毎月の金額を横に並べていき、線グラフを見ていったときにわかることのほうが重要です。その組織が安定して稼ぐ力が時間とともに上がっているのか、それとも単発では儲かっても全体としては伸び悩みか、それとも衰えているのか、こればかりは時系列で追っていかないとわかりません。

売上に対して、モノを買わなかったり、人件費を減らせばその分利益が出るのはわかりますが、やり過ぎたら、売上を上げるための価値が減ってしまうかもしれません。先日のみずほFGの業務改善命令にも書かれていましたが、現場で必要な人員まで削減してしまいシステムの価値を毀損させてしまうということが断罪されていましたね。無駄を削減することと、価値を削減すること。全く同じオペレーションですから、単月、単年の利益に目がくらむとそんな失態を犯してしまうことの勉強になります。

このあたりの判断ミスは、前述の通り5年くらい数字を並べるとわかるものです。もし禁じ手を使って利益を高めたら、どこかで価値の毀損が発覚し売上がぐっと下がります。そりゃ、品質が悪いんですから、顧客も離れて当然です。原価や経費の削減はマネージャーにとって宝の山に見えるのですが、むしろ宝をすくって川に捨てるようにならないようにしてください。

さて、なかなか売上が上がらない、というときに着目しなければいけないポイントがあります。既存顧客です。既存顧客からのリピートオーダーが来ない組織が多いのです。営業が新規顧客を連れてきて、取引関係を構築します。その後は現場との付き合いですが、ここで品質が悪い。そうなるとビジネスの切れ目で別の会社に乗り換えるということが起きます。そうなると、せっかくの既存顧客は期間限定となり、その終了を次の新規顧客で埋めなければいけなくなります。こういう組織のマネージャーは、営業がもっと新規顧客を連れてこないから成長できないんだ、と言います。違うのです。現場が既存顧客をもっと喜ばせ、満足させ、そしてもっとこの会社に何か頼みたい。そんな組織は既存顧客からのリピートオーダーだけで成長するとともに、なかなか取引が終わらないのです。そして、また新規顧客がやってくるという好循環が生まれて初めて成長するのです。

しかし、反省できない組織は、むしろ既存顧客が無理難題をつけてくるし、値切ってくるし、と不満げです。自分の組織の改善をほったらかしにし、非効率から起こる忙しさに埋没します。そして顧客が来ては逃げ来ては逃げを繰り返し、全体的にこういった組織は平行線あるいはゆるやかな右肩下がりを繰り返します。

さて、こういう部署で、さらにやってはいけないこと。そしてよくやりがちなことを説明します。「新しいことをやりだすこと」です。自分たちがやっていることは古いから受けないのだ。いつまでも古いことにしがみついていたら、市場の衰退とともに自分たちもなくなってしまう。だから、古いものを捨て新しいものに行こう。

これは一見正しいように見えます。ところが、根本から間違っているのは、なぜ今うまく行っていないかについて反省がないことです。今できないことは、ビジネス領域を買えても同じようにうまくいきません。なぜこれに気づけないかと言うと、自分たちは正しいというバイアスがどこかで働いているからです。経営者やマネージャーの成功体験なのか、社内の人間関係がこんがらがってあきらめモードなのか、いろんな理由はあるものの、はじめから諦めてしまっています。そして、「新しい領域」に夢を求めてしまうのです。我々は変われるのではないか、と。変われませんよ。反省しないと。

新しい領域に手を付けたら結局どうなるかというと、古い領域に対する力がはじめに削がれます。なだらかだった売上の減少がさらに急になります。そして新しい領域はやっぱり上手く行きません。結局、はじめから何もしなきゃよかったね、となります。そうすると社内の守旧派は活気づきます。ほら言わんこっちゃない。そうやって改革の風はしぼみ、右肩下がりの組織はいよいよ右肩下がりになるのです。

仕事の基本は、既存顧客を大事にし、評価を上げ、更に注文をいただくことです。そのなかで新しいことにも挑戦する機会をいただく。そして営業が新しい案件を受注する。

外部営業やコンサルの、甘い言葉に乗せられてはいけません。まずは今をしっかり見つめること。それができなければ、どんなに商材を変えても結果は変わらないのです。