orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

簡単に仕事を辞めないで

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新卒でも中途入社でもいいんだけど、ものの数か月で辞めようと言う人は、そもそも何を考えて就職活動したのだろう。辞めるために就職したのではないだろう。入ってみたら当てが外れたということか。当てとは何だろう。就職活動にて合意したことについて入社してみたらそれが無かったということか。それが無い、と短期で判断して次々と就職活動したら、就職活動の中で、「ああこの人は続かないな」という悪い評価になってしまうのは間違いない。だから、何度も何度も転職を重ねるのは、ポジティブな事情でもない限り難しい。世にはプロジェクトのたびに会社を変える人もいるから例外もある。ただそうなるともはやフリーランスの世界である。フリーランスで働ける人など全体の中で言えば一握りなので、大多数の人は会社を何度も何度も変えるということはあまりしない。

大した経験もないのに、研修にケチをつけたり、現場の同僚に不満を持ったりと、自分の十メートル範囲内の環境を会社に投影し、自分の人生ずっとこうなんだ、と思うのかもしれない。でも会社の世界は実はもっと大きいことが多く、数か月すべてを悟るのはどう考えても早すぎる。これから何が起こるかわかる人はほぼいない。それより、この会社に就職しよう、という就職活動の時の直感を簡単に否定すること自体がかなり危険だと思う。皆、決意を持って選択するのではないか。

不満を持つ原因がまだ仕事内容であればいいが、場合によっては会社という制度が気にいらないことへの感情が、たまたま入社した会社に投影している可能性もある。会社というのは非常によくできたシステムになっていて、それが特定の人によっては馴染むまでに抵抗を及ぼすかもしれない。この抵抗を何とかコントロールできないと、どの会社でも詰むことになる。もしかしたら、会社員という属性自体が本人にフィットしない可能性がある。それならば、どんなに違う会社に行ったって、そこも会社なのだから落ち着けない。それならもう会社員を諦めるか。会社員じゃない働き方はあるにはあるが、ほとんどの働き方が「会社員」。成功するハードルはグッと上がる。成功しないとは限らないけれど、難しい判断になると思う。

仕事というのは勉強や研究ではなく、営利企業で言えば利益の実現であるし、国や自治体であればサービスの実現であるので、自分の能力が発揮できない瞬間があってもいつまでもそうなのかはわからない。会社のプロセスのどこに組み入れられるかなんて運も関わってくる。会社はずっと続くことが前提なのでその長い歴史の中で、たまたま暗い部分に組み入れられたって、それは悲観することは無いと思う。どんなプロセスだって必要だから存在しているのだから。

私も25年くらい会社員をやっているのでわかるが、会社は多面体である。そして社会もそうだ。誰もが知っていることを言うがそれは個人の狭い経験と、ネットニュースからききかじったことを類推しているに過ぎない。つまり誰も、全体を把握してもいない。だからこそ、短期的にうろちょろする行動そのものが、本人の価値を下げる。行動するなら信念が必要だ。自分が取った選択が素晴らしいものであるということを証明するために、浅はかに、リセットの様なことをやってはいけない。人生の中でも、転職なり転機なりと言ったことは数回あるかないかだと思っている。あまりにも選択し直すことを他人に表現していると、何の思いもなく生きているだけだと言っている様なものだ、と思う。

続けるも選択、辞めるも選択なのだけど、その会社を選択した自分のことも大事にしてほしい。その根拠はそんなにすぐ揺らぐものなのか。そんな簡単に手放してしまうことを繰り返していると、むしろ何も選べなくなるどころか、誰からも選ばれなくなってしまうことも考えた方が良い。