orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

SESの案件ガチャで恵まれていた就職氷河期の私

 

20何年前のことを語り始めると老いの始まりかとは思うが、若手には学ぶべきことも多いんじゃないかと思って書いておこう。

私の就職活動は超適当で、大学院に行こうと思っていたが、入試のための準備もできて全然いなかったし学問の将来性も暗かったし、その上経済的にも困窮していたので仕方ない、働くかと気がついたときには大学4年の冬。しかも就職氷河期の始まりという状況において、就職情報誌をコンビニで買って読んでみたら、一番大きい欄の会社がSES会社で、そんな時期にも関わらず面接を申し込んだら拾ってくれたというシナリオである。

もし、まともに就職活動をしていたら、私の人生どこに行っていたんだろうと思うが、昔のことを言ってもしようがない。とにかくSESを中心とするITの会社に正社員として入社することができた。

そもそも「未経験」のステータスであったので、初年度は内勤したり技術研修に行った後に、1年目の冬で他社常駐の案件をアサインされそこからは長い間、「他社」に通った。つまり、入社した会社より常駐した現場の会社のことを良く知る働き方となった。

よく入った会社で学んだことが大事、と言われるが私の場合は自分の会社に存在する時間がやたら短く、「案件」と呼ばれる常駐先の環境のほうでよっぽど学んだ。

いくつかの会社に行ったが、その会社達はSESを呼ぶだけあって環境としては結構大変な部類だったが、私としてはとても勉強になった。私の今の仕事は、それらの案件たちで学んだことの集合体だ。この仕事はあの案件、あの仕事はあの案件、全部、現場で見てきたことのモノマネである。

考えてみたら、その「案件ガチャ」が非常に恵まれていたんだろうなという感想だ。人によっては、学びのない環境に放り込まれることもあるのだろうし、そしたら私も程なく辞めていたんじゃないかな。その新卒で入った会社には十年以上在籍したし、案件の引きっぷりが良くてきっと、転職しようなんて思わなかった。

30代半ばかな、このブログでも何度か書いたけど、転職のタイミングが訪れた。どうも若さが武器となって良い案件にアサインされがちだったのが、どうもそれが通用しなくなってきた。こんなルールなら、もとから責任のあるポジションを転職によって狙いに行ったほうがいいと思った。それもまた正解だった。転職後は、SESで学んだことを十分活かすことができている。現時点から後ろを見てみると、ここでやることを学ぶために、案件ガチャで各地を転々としてきたようにすら思える。

あまり軽々なことは言えないが、環境から学ぶべきことがないのなら、環境は変えたほうがいい。SES案件ガチャは、自動的に環境がころころ変わるので、あまりエネルギーを使わないで若い頃に、正面玄関から入社するには大変な一流企業たちに、裏口から入り、中途半端な立場で、チラ見することができた良い機会となった。

ネットではSESは、案件ガチャ、という言葉を悪口のように語られるが、ガチャを引ける楽しさはあったとは伝えておきたい。ポイントとしては、どこかで抜けて、元請などより責任のあるところに転職するタイミングを考えること。もしくは完全にSESの事業に足を突っ込んで、ガチャを引く立場じゃなく、沢山の人を送り込む(人にガチャを引かせる)ようなマネジメントの立場を得ること、かな。私は前者だったけど、後者タイプの人もいらっしゃる。人生いろいろ、である。