orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

スキルはコモディティー化するか

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スキルのコモディティ化、つまり、自分の売りだったものが、誰しも持っているものになったために市場価値が下落するという現象の話です。

マーケティング専門の人ならこういう表現になるのか、という記事をご紹介します。

 

toyokeizai.net

「社会人になってから長い間『暗黒時代』が続きました。そこから抜け出せたのは、『生きる知恵としてのマーケティング』のおかげです」
数々のグローバル企業でマーケターとして活躍している井上大輔氏は、自らの経験を振り返って語る。

「マーケティングのエッセンスを『生きる知恵』として人生に活かせば、仕事・キャリア・プライベートのすべてで『求められる人』になれると気づいたんです」
そんな「生きる知恵」を解説する書籍『マーケターのように生きろ:「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』を上梓した井上氏に、「スキルがどんどんコモディティ化する時代」に私たちはどのように対処すればいいか、解説してもらった。

 

商品自体が決まっているのなら、売り方で差別化せよ、というお話ですがIT業界でこんなことやってもきっと無駄です。というより無駄でした。スキルが陳腐化するスピードについてはむしろ今の方がゆっくりになってきており、2000年~2015年くらいまでの進化はものすごいものがありました。

ここ最近起こっているのは、通信速度なりCPUやメモリー、ストレージが超高性能になったことによる、力業的な実装が増えているということです。具体的に言えば、10年前は100Mbpsのインターネットで十分の世界だったのが、今や1Gbpsは当たり前でクラウドでは10Gbpsも当たり前になって来ています。ですから昔は、この限られた資源をどうやってサービス上で使うかというスキルが相当必要になったのですが、今や、何も考えなくてもデフォルトの設定で十分動いてしまいます。このようなことがいろんな分野でおきていて、やりたいと思ったことに対する実装の手間が相当減りました。その結果、実装スキルより、何を実装してどうサービスするか。そして問題をどう起こさないかということに視点が変わってきています。必要なスキルが変わった、ということですね。

おかげで、実装することに対する参入障壁が減り、ずいぶんインフラエンジニアと言われる人の人数も増えたと思います。サーバー立てるのなんて、Webブラウザからワンクリックでできる時代です。でもそれをコモディティー化したスキルというのでしょうか。結局は、スキルのある人がいろんなことを自動化し、スキルの無い人にも実装させられるように仕立てているだけの話のような気がします。

結局は、スキルがコモディティー化すると言ったって表層的な話であり、やはり基礎は昔から変わらないし、それを身に着けないことには真のスキルとは呼べないと思います。

例えば、今はAWS全盛だからと言って、初心者がいきなりAWSの資格試験を取得しようとするのには私は抵抗があります。それより、基本情報処理試験の勉強をしたり、OSのインストールやオンプレミスでの環境構築から始めて欲しいものだと思います。基礎失くして表層のスキルを学び、それを武器に労働市場に売り込もうとしても、それはAWSじゃなくてAzureならどうか、GCPならどうか、とちょっと手先を変えられただけで手が出なくなるものです。

有用な学問に対して、真の基礎を、時間をかけて学んだのであれば、実はコモディティー化はしないのです。基礎はそんなに目まぐるしく変わるものではありません。そして一朝一夕に学べるものでもありません。一度身に着けてしまえば、世界は基礎ではなく応用から成り立っていることに気が付くでしょう。すべては基礎の応用であり、応用の応用であったりして、目まぐるしく変わっていくそれは、単に基礎を応用していっただけのものであると気づくでしょう。そうすれば、基礎があればどんなに応用が目まぐるしく変わっても、すぐに対応できるのです。ですからIT業界にいたら、ずっと勉強し続けなければいけない・・というのはある意味誤解を生む表現であり、基礎を身に着けてしまったらあとは応用をどんどん「体験」すればいいのです。基礎がわかる人には応用は体験するだけで身に着いてしまうからです。

スキルはコモディティー化するか。しないとお答えしておきましょう。基礎を大事にしましょう。体験を大事にしましょう。